11歳の少年が祖母を救うためベンツ車を運転。公道を走り家まで運ぶ(アメリカ)
少年が祖母を救うために車を運転 olivermonschau/pixabay
アメリカのインディアナ州で、一緒に外出していた祖母の具合が突然悪くなったことを知った11歳の孫が、祖母を救うためにベンツを運転するという驚きの行動に出た。
少年が車を運転する様子は祖母により動画に収められ、その後SNSで拡散すると、多くのユーザーらからは少年の機転の良さにより祖母が救われたことへの称賛の声が寄せられた一方で、無免許で公道を運転するという無謀さを非難する声が寄せられたようだ。『11Alive』などが伝えている。
11-year-old saves his grandma suffering medical emergency
・11歳の少年、祖母を助けるためにベンツを運転
8月下旬、アメリカのインディアナ州インディアナポリスで、アンジェラ・ブリューアー・レイさんは、孫のPJ君(11歳)と一緒に自宅から2.4kmほど離れたところにある町を歩いていた。
その時、突然アンジェラさんの具合が悪くなった。震え出し、視界が暗くなってかすむといった低血糖の症状に襲われたのだ。
それに気付いたPJ君は、すぐにアンジェラさんの家まで走って戻り、祖父母が所有する数台のうち、一番手に届きやすい距離にあったメルセデス・ベンツのキーを握り、なんとベンツに乗り込んで祖母の下へと駆け付けた。
症状が治まるまで、交通標識に体をもたせかけじっとしていたアンジェラさんは、右手からやってくる見覚えのあるベンツに気付き、それを運転しているのが自分の孫だと知ると目を見開いた。
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・冷静に運転したPJ君に驚き
実は、PJ君は普段からダートバイクやゴーカートが大好きなのだそうだ。
また、PJ君の祖父にあたるアンジェラさんの夫は、所有する私有地でPJ君に運転を教えたこともあったという。
祖父の所有する土地で車をひとりで動かした経験を持つPJ君だが、公道を走るのは初めてだ。当然無免許ではあるものの、祖母のために車を運転したのだ。
そして、驚くアンジェラさんを車に乗せると、祖母の家まで再び運転して戻った。
後のインタビューで、アンジェラさんはこのように話している。
PJは、当たり前ですが公道で運転したことなど一度もありません。ですが、縁石に乗り上げることもなく、草むらに突っ込むこともなく、とても落ち着いて運転していました。
その後、自宅へ戻った私にPJは低血糖時に飲むブドウ糖の薬と、ピーナッツバターのクラッカーの袋を持ってきて渡してくれました。
あの子は、特別な孫です。ただ私を救うために、一生懸命になってくれたのです。
アンジェラさんによると、普段からPJ君とはとても仲がよく、私道でPJ君がゴーカートを乗る時にもよく付き添ってあげているのだそうだ。
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そんな孫が、自分を救うために咄嗟の機転を利かして運転をしてくれた…感動したアンジェラさんは、車内で容態が少し落ち着いた時に、PJ君の運転姿を動画に収めた。
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・ネットユーザーからは賛否両論の声
その動画がSNSで拡散すると、PJ君を「ヒーロー」と呼び、その行為を称賛する声が寄せられた。
・すごい!免許を持っている大人よりも冷静に運転しているなんて。よくやったね。
・少年の勇敢な行動は称賛に値するよ。
・グッジョブ、PJ!
・おばあさんを救おうと必死だったのね。家族もPJ君のことを誇りに思うでしょうね。
・彼の16歳の誕生日プレゼントは、間違いなく車だろうな。
・11歳なのに、たいしたもんだよ。子供の能力を過小評価してはいけないね。
・こういう万が一の時のために、子供には運転方法を教えておくのもいいかもね(笑)
・おばあさん思いのいい子だよ。
しかし、一方ではこのような非難の声も寄せられた。
・アンジェラさん、動画撮影できるほど元気なの?
・普通に電話持ってるんだろうし、通りがかりの人に助けを求めるなりして救急車呼んだ方が良かったと思う。
・もし、この少年が事故を起こして他人が巻き込まれたらどうするんだ。想像するとゾッとするよ。
・もしかして、アメリカだから救急車呼ぶとお金がかかるから、呼ばなかったのかな。救急車代を払う余裕がない人もいるだろうしね。
→・でも、アンジェラさんって普段はベンツに乗ってるんだよね??
・普段からの持病なら、こういう万が一のために薬は持ち歩くべきだったんじゃないの?
・警察に見つからなくてラッキーだったとしか思えない。
・褒めてる人がいるけど、無免許で公道運転するなんて良い話でもなんでもないよ。
なお、アメリカの法律によると、イリノイ州では14歳未満は所有地でのみ、車やダートバイクに乗ることは許可されているという。
その場合、土地の所有者もしくは親・後見人の管理下にあることが求められるが、万が一事故を引き起こした場合は、運転者に代わり管理者(土地所有者や両親・後見人)が責任を負うよう義務付けられているということだ。
written by Scarlet / edited by parumo