「理念経営」では企業は失敗する? 「理念」を「使命的」にしないといけない理由 (2/5ページ)
――理念に基づいた「理念経営」との違いは何ですか?
松島:理念経営が使命的であればいいのですが、理念そのものが自己中心的なものだったりすることがあります。
例えば、「顧客満足」を理念に入れる企業は多いですが、顧客満足度を上げても、世の中を永続的に良い方向に変える視点が欠けていれば、使命からは遠ざかりますし、社会に良くない影響を与え、いつかは失敗する。
例えばパンの食感を柔らかくすると顧客満足度が上がるからといって、健康によくない薬剤を食品に使ったら、それは世の中を永続的に良い方向に変えていくとは反対の方向です。拝金主義に陥ります。
また、理念の言葉として、笑顔、努力、夢、誠実など言葉自体は良いけれど、具体的な目標や世の中を良くするイノベーションになっていないので自己満足的であり使命的な理念とは言えません。例えば誠実は理念ではなく社内マニュアルに書くことです。
――独りよがりの理念はNGということですね。
松島:他にも自己満足的な理念では「感謝」という言葉がよく使われます。確かに感謝は大事だけれども、世の中に良い価値を提供して感謝をされ、こちらも感謝するというのが順番です。感謝そのものが理念になっていると順番がおかしいというか、それは自己満足でしかないように感じます。つまり、使命経営とは、具体的に世の中をどのように永続的に良い方向に変革していくのかを明確にすることです。
■自分の使命に気付くためにはどうすればいい?――自分の使命に気付くためにはどうすればいいのでしょうか?
松島:一つは自分にとって最も自然体でいられることを見つけることがポイントですが、それを見つけるための要素としては、まず自分の性格を認識して、その性格の得意なことをやるというのがいいと思います。本書では性格から使命の方向を探るチェックリストを掲載しています。また「性格ドットコム」というサイトでも同じように診断ができるのでぜひやってみてください。