カー・セックスの誕生は平安時代?あなたの知らない性や愛に出逢える「いろごと辞典」が面白い! (4/4ページ)
馬車に乗った伊藤博文(後部座席手前。画像:Wikipedia Commonsより)
皆さん狭いところでなさるのがお好きだったのですね。
『雑学明治珍聞録』は未入手につき信憑性のほどは分かりませんが、雲の上の存在だと感じていた歴史上の人物に親近感を覚えてしまうエピソードです。
ともすれば軽蔑の対象となる性の問題。しかし…編者である小松奎文(けいぶん)先生は、『誹風柳多留』や『誹風末摘花』といった江戸期の川柳を読む中で遭遇した意味のわからない言葉を辞書や文献で調べ、『いろごと辞典』の元となった『いろの辞典』を20年かけて編纂されました。
『いろの辞典』のあとがきに先生はこう記されています。
「色」と言うと、軽視はおろか軽蔑さえされることも多い。しかし、「色」はそれ自体がすべての人に関わる大切なことであり、すべての人の人生の中に大きな位置を占めるものである。だから「色」の本にはユーモアがあり、人生の機微が潜んでいる。
すべての人間にとって欠かせないものでありながら、公に語ることがはばかられてきた性愛。しかし、隠す必要があったからこそ豊かな婉曲表現が生まれ、ユーモアのインスピレーションにもなったのです。
『いろごと辞典』は、江戸の性風俗や春画に興味のある方はもちろん、日本文化を愛する多くの皆さまにぜひ手に取っていただきたい書籍です。
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