大河ドラマ「平清盛」で物議をかもした、朝廷を「王家」と呼ぶ表現は正しいの? (3/4ページ)

Japaaan

そこにあえて「王家」表現をねじ込んだのは「学界の中で市民権を得ている」からという製作スタッフの判断だそうですが、広く一般に向けた作品にある種の「内輪ネタ」を盛り込むのは、いかがなものでしょうか。

結局、磯智明チーフプロデューサーも「学界でも『王家』でまとまっているわけではなく、『王家』表現の使用はドラマの中にとどめる(要約)」として、歴史の新常識(?)としてゴリ押しされることなく議論は収束に向かいました。

新儀を巧み出すよりも……

「王家の犬」にはならなかったが、平清盛(右)が天下に号令するには、朝廷(≒後白河法皇・左)の権威が不可欠だった。

こうした「歴史の新常識(?)」がどうして度々生み出されるのかと言えば、一つに学界の事情が考えられます。

限られた過去について取り扱う歴史学は、どうしても研究が行き詰まりがちであり、研究機関における予算要求や出世には実績(≒新発見)がモノを言うため、学者の中には新奇をてらう手合いも出て来るわけです。

本郷氏によれば「皇室を貶める意図はない」旨を説明しながら、この「王家」表現は波紋を呼び、国会で当時のNHK会長が答弁を求められるまでの騒ぎに発展しました。

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