「3分で250億手を読んだ」藤井聡太二冠を撃破した羽生善治の“青野流戦法” (2/2ページ)

Asagei Biz

 最近、日本の音楽界を席捲する韓国人プロデューサーJ.Y.PARKが「日本人アーティスト育成プロジェクト」として「虹プロジェクト」を立ち上げ、「NiziU」なる日本人ガールズグループをブレイクさせた。果敢に日本の市場に攻め込んだのと同じく、羽生もまた慎重かつ大胆に対策を練り、「藤井攻略」のために「虹プロ戦法」を採用したのだった。観戦記者が語る。

「プロデビューから高勝率を維持する藤井二冠ですが、『横歩取り』で進んだ対局は5勝6敗(未放送分含む)で負け越していました。12日の『JTプロ公式戦』でも同戦型に苦杯を喫しました。ですが、前戦となった15日の『第28期銀河戦』の決勝トーナメント2回戦で、永瀬拓矢王座に『横歩取り』で勝ち星を上げて、苦手払拭に手応えがあったのでしょう。羽生九段は『角換わり』『相掛かり』『矢倉』など、序盤の戦型パターンが広い棋士です。前戦の棋譜を見て研究したうえで誘い水をまいたのかもしれません」

 羽生本人はこの「横歩取り」を藤井対策の戦型として、事前に用意していたかは明言していない。だが、これまで難攻不落と思われていた藤井の「急所」を一撃するには十分な戦法だった。しかも、下手をすれば命取りになりかねない難しい戦型に挑んだ背景には、羽生の勝負に対するなみなみならぬこだわりがうかがえる。さらには対局の終盤には神の一手ならぬ「羽生マジック」で格の違いを見せつけていた。

「詰め筋がスタートした66手目の7九龍の手です。世界一の将棋AIソフト『水匠』が最善手とはじき出すまでに250億手読む必要がある手を、わずか3分で導き出しました。先の棋聖戦で藤井二冠の妙手が6億手読んだ先の手であると話題になりましたが、さらに上を行く一手を羽生九段が繰り出したのです」(観戦記者)

 長年の経験を踏まえた円熟の指し手に、さすがの藤井もついに、初の敗北を喫してしまったのだ。

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