「和解型の特別清算は貸倒損失が認められる」は本当か?判例交えて元国税が解説! (1/2ページ)
前回、債務者である会社が通常清算をした場合、寄附金課税のリスクがあると解説しました。今回はこの寄附金課税について、解説します。
一般的に、寄附金とは「対価性のない支出」を意味すると言われます。対価性がない、すなわち自分に見返りのない支出をしても、それは経費とは言えないという考え方から、税務上寄附金については経費性が制限されています。
この寄附金の代表例に債権放棄があります。債権を放棄しても自社に明確な見返りはないことから、債権放棄は原則として寄附金に当たるとされているのです。
■会社が清算等した場合
この取扱いは、会社が清算するため債権を免除せざるを得ない場合も同様になります。ただし、その例外として、国税庁の通達に債権放棄等をしないともっと自社にデメリットが生じてしまうような場合には、寄附金とはせずに貸倒損失を認めるとされています。ごく簡単に言えば、債権放棄に経済的な合理性があるような場合には、原則として貸倒損失が認められるということです。
とはいえ、このような判断は非常に困難です。このため、通常清算しても国税に否認される恐れがあり、敢えて国税の通達で問題ないとされている特別清算を使っているのです。
■個別型が否認された事例がある
ただし、前回も述べましたが、あくまでも国税の通達に明記されているのは「協定型」の特別清算であり、実務で多い「和解型」の特別清算は協定型を準用できると解釈されているに過ぎません。このため、和解型であれば、国税から問題視されるリスクはゼロではないのです。
実際のところ、第二会社方式により、和解型の特別清算をした会社に対する貸倒損失が否認された事例があります。この事例は裁判になったのですが、裁判でも貸倒損失を認めなかった国税の処理を合法としています。