印象派の巨匠クロード・モネが描き続けた最初の妻カミーユの実像とは? (4/4ページ)
その性格あってこそ、彼の画業は成功するわけですが、生活全般にわたってもこだわりが強くてわがまま。お金もないのにグルメだし、オシャレだし、仕事のために平気で妻の気持ちを置き去りにしてしまいます。
――モネとカミーユはお互い、どういうところに惹かれ合っていたのだと思いますか?
松井:恋愛の始まりには、言葉にならないフィーリングの一致があったはずで、それを客観的にどうこう言えませんが、モネの純粋さはカミーユにとって愛すべき特徴だったのでしょうね。女性の自己実現が難しい時代にあって、モネが我が道を突き進むその信念の強さも魅力だったと思います。彼が自分の夢を叶え認められていくことが、カミーユ自身の夢にもなったかもしれません。
モネの方は、最初はカミーユの見た目だけを気に入ってモデルをお願いしたのかもしれません。でも、その相手が一途に自分を想ってくれる。希望通りモデルになってくれたし、彼女を描いた作品はサロンに入選しました。グルメな彼の口に合う料理を作ろうとがんばっていたはずですし、そういう毎日を過ごすうち、モネは当たり前のように彼女に甘えるようになったと思います。「自分のすることなら、カミーユは何でも許してくれる」という風に。彼自身、意識はしていなかったかもしれないですがね。
――この小説を通してみると、モネはカミーユありきの人だったのではないかとさえ思ってしまいます。
松井:そうかもしれません。すぐヘソを曲げたり、小さなことにもあれこれ口うるさく言うような妻だったら、モネは小さくまとまっちゃったかもしれませんね。
(後編に続く)