印象派の巨匠クロード・モネが描き続けた最初の妻カミーユの実像とは? (1/4ページ)
美術史において、フランスにおける19世紀後半の印象派の登場は重要な分岐点だった。その旗手だったのが、画家のクロード・モネである。
モネには2人の妻がいた。1人は若き日の貧困時代を支えた「早世の」そして「薄幸の」妻カミーユ。そして、カミーユの死後、再婚したアリス。
『マダム・モネの肖像 文庫改訂版』(松井亜樹著、幻冬舎刊)は、モネの最初の妻であるカミーユを主人公に、夫婦の波乱に満ちた日々、そして印象派誕生の軌跡を描いた小説だ。
残されている資料が少ないと言われるカミーユ。しかし、かの有名な『散歩・日傘をさす女性』をはじめ、モネの初期の数多くの作品でモデルとなっている。では、彼女は一体どんな人物だったのだろうか?
本作を執筆した作者の松井亜樹さんにお話をうかがった。
(新刊JP編集部)
■貧困、困難…それでも寄り添ったクロード・モネとカミーユという夫婦――『マダム・モネの肖像 文庫改訂版』についてお話を伺っていければと思います。本書は印象派画家の旗手として知られるクロード・モネの妻であるカミーユ・ドンシューを主人公に描いた小説ですが、なぜカミーユを題材にしたのですか?
松井:この本を書いたきっかけはいくつかあるんです。一番古くてありきたりなきっかけは、私が長年のモネファンだったことでしょうね。4、5歳の頃、初めて「美しい!」と感動した名のある絵画がモネの『睡蓮』でした。西洋美術館所蔵の松方コレクションの1枚です。この本の最後に掲載した作品ですね。
絵は描くのも観るのも好きで、学生の頃には週に2回ほど美術館に通うような生活をしていましたから、好きな画家も作品もどんどん増えていきましたが、モネは一貫して好きでしたね。
二つ目のきっかけは、四半世紀ほど前に『庭のカミーユ・モネと子ども』の実物を初めて観たことです。本作の冒頭に掲載した作品ですね。丁度、長男を出産して間もない頃で、今思えば、多少産後うつ気味だったのかもしれないですが、涙が出そうなくらい感動してしまいました。