吉高由里子が語る「心は見ようとすれば見える」 (2/3ページ)
そして、何より皆さんとっても明るくて生命力のあふれる方たちだったので、私自身がパワーをもらいました。
──役に真摯に向き合っていたのですね。いつも明るく朗らかな印象の明香里は、吉高さん自身に重なる部分も多いように感じましたが。
そうですね。似ている部分も多いように思います。例えば、「人に相談事をあまりしないところ」とか。
もちろん、自分で全部を抱え込むわけではありませんよ。でも、私の相談事を聞いてしまったことによって、聞いたその人もそれを背負って生きていかなければならないかも……と思うと、それは嫌だなって。
自分は相談事をされるのが嫌ではないし、そんなふうには思ったことはないけれど、いざ自分が当事者となるとなかなか悩みを打ち明けられない。明香里も自分の過去を明かさずに気丈に振る舞い続けるのは、そんな感情があるからだと思いました。
■本心が見えないならとことん話し合う
──私たちは相手を知ろうとする時、視覚からの情報をとても大切にしていますよね。ただ、明香里にはそれができなかった。そんな時、視覚以上に大切になる感覚ってどんなものだと考えますか?
目が見えないからこそ、その他の感覚が研ぎ澄まされるのではないでしょうか。聞こえる声や相手の匂いももちろん大切ですが、何より相手から感じる「心地良さ」が重要になるのではと思いました。
私たちが恋愛する時もそうじゃないですか? 五感から受け取る相手の情報も重要ですが、「一緒にいて何となく心地良い」みたいな言葉では言い表せないことを大切にしていますよね。そこは、明香里も同じように大切にしていたはず。
そんなふうに感じると同時に、目で見て全てのものを確認できるということは、大きな財産であるとも感じました。
──確かに、「心地良さ」は誰もが大切にしていることかもしれません。私の場合、相手のことが見えても、心が見えずに(理解できずに)悩んでしまうこともあります。吉高さん自身、そのような経験はありますか?
全くないですね(笑)。