大豆ではない!? 高野秀行が西アフリカで出会った驚きの「納豆」の正体とは (3/5ページ)

新刊JP

ネバネバの利点の一つは食べ物に絡みやすいということです。彼らがネバネバしたものをソースに主食を食べているのを見ると、日本人が納豆を小粒にして、ご飯に絡みやすくして食べている姿を重ねてしまいますよね。だから、そういう趣向は似ていると思います。

――ナイジェリアでダワダワを味わい、次はセネガルですね。名前はなんと「ネテトウ」。

高野:これはみんな笑います。日本人も、セネガル人も(笑)。日本人に言うと、「それはJICA(国際協力機構)がセネガル人に教えたんじゃないか」と言い出すし、逆にセネガル人に言うと「まさか、ネテトウをセネガルから輸入しているの?」と驚きます。反応も全く同じです。

――まさに「ナットウ」交流というか。この本を読んでいると、そのものを食べるのではなく、うま味成分としてネテトウが使われている感じですね。

高野:そうですね。西アフリカの人たちはうま味上級者です。セネガルやナイジェリアの川辺やデルタ地帯に住んでいる人たちは、タンパク源としてすでに魚介があるんです。だから納豆は必要ではないはずですが、味を調えるために納豆を使っています。

ただ、ネテトウって、セネガルでは昔からあったものではないんですよね。取材で分かったことですが、一部の民族が食べていたものが首都ダカールに持ち込まれていて、1960年のセネガル独立前後でそれが一気に広まったもののようです。

――ネテトウの炊き込みご飯の名前が「セ・ボン」というのも面白いですよね。フランス語で「美味しい」ですから。味が気になります。

高野:セ・ボンはかなり複雑なうま味がある食べ物でした。ちょっと表現できない。セネガル人はうま味に対してかなりクレイジーだなと。

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