大豆ではない!? 高野秀行が西アフリカで出会った驚きの「納豆」の正体とは (4/5ページ)

新刊JP

■韓国料理に欠かせない「醤類」のベースは納豆だった!?

――続いて高野さんは舞台をアジアに戻して、韓国の「チョングッチャン」に挑みます。日本でも韓国料理店で食べられますが、納豆料理とは意外でした。

高野:ただ、チョングッチャンは韓国の納豆汁とネットでも書かれたりしていたので、なんとなくそんな感じだと思っていましたね。僕が日本の韓国料理店で食べたものは、牛肉が入った外国人向け豪華チョングッチャンだったので、韓国の人が普段家庭で食べているようなチョングッチャンが食べたかったですね。

――面白いのは韓国でキリスト教が弾圧されたときに、山に逃げ込んだ隠れキリシタンたちがチョングッチャンを食べていたということです。そう考えると、歴史に果たした納豆に役割って実は大きいのではないかと思いました。

高野:そう思いますね。辺境地域で作られているアジア納豆を掘り下げていくと、大豆から作られる納豆、味噌、醤油って並列に考えるけれど、実はまず納豆があって、次に味噌や醤油ができていったということが実感できるんです。

どういうことかというと、味噌や醤油って造るのが難しいんですよ。時間がかかるし、ある程度の資本も必要です。必要なものは大量の大豆、あとは塩ですよね。塩って内陸部に住む人たちにとっては貴重品で大量に入手することは難しい。それを確保するためには、ある程度の資本が必要で、生活にゆとりがなければ醤油や味噌は造れないんです。

隠れキリシタンなんかは一か所に留まると危険なわけだから、移動を繰り返していたはずです。そう考えると彼らが納豆を作って食べていたことは想像に難くないし、それが今に至るまで受難の記憶として伝承されているのだと思います。

「大豆ではない!? 高野秀行が西アフリカで出会った驚きの「納豆」の正体とは」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る