大豆ではない!? 高野秀行が西アフリカで出会った驚きの「納豆」の正体とは (1/5ページ)
納豆は日本の伝統食品――そう思って疑わない日本人は少なくないだろう。しかし、納豆文化は東アジアの山間地域、いわば「辺境地域」の民族に広がっていた。そこでは私たちが思い浮かぶ納豆の姿とは全く違った、様々な形で食べられていたのだ。
高野秀行さんはその冒険譚を『謎のアジア納豆 そして帰ってきた〈日本納豆〉』(新潮社刊)という一冊の本にまとめた。そのあとがきに「アフリカにも納豆がある」ということを示唆して。そして、アジア納豆から4年。ナイジェリア、セネガル、ブルキナファソという西アフリカ地域の驚くべき「納豆」の姿と、日本の隣国・韓国の家庭料理・チョングッチャンを通して解き明かされる韓国食文化における納豆の秘密を解き明かしたのが『幻のアフリカ納豆を追え! : そして現れた』(新潮社刊)である。
「納豆」の既成概念が崩壊していく本書。大豆じゃなくてもいい? なんなら豆でなくても納豆はできる? 納豆民族なら知っておきたい食文化の話を高野さんに聞いてみた。
(聞き手/金井元貴、撮影/山田洋介)
■「納豆の人」になった高野秀行、新たな納豆を求めてアフリカへ――『幻のアフリカ納豆を追え! : そして現れた』は『謎のアジア納豆 そして帰ってきた〈日本納豆〉』の続く、納豆シリーズの第2弾となります。
高野:納豆というテーマだけで、これだけ分厚い本が2冊も書けるのかと驚かれますね(笑)。
――最近では、Googleで高野さんのお名前を検索かけると、サジェスチョンに「納豆」と出てくるようになりました。
高野:この取材を始めてから2年目くらいに、周囲の人たちに「そのうち俺は納豆の人と言われるようになるよ」って予言していたんですけど、まさにそうなりつつありますね(笑)。当時はソマリランドの取材を同時にしていたから、単なる冗談と受け取られていたけれど、そうなる確信は当時からありました。