サンスポ水戸正晴の「絶対万券」論「脇役アリストテレスの一発」 (1/2ページ)
皐月賞、ダービーに続く「三冠」最後の一戦、菊花賞が今週のメイン。焦点はもちろん、コントレイルが「三冠馬」となるのかどうかだ。無敗での達成となれば、父ディープインパクトと肩を並べる大偉業。それだけに競馬ファンにとっては、この秋最大の関心事でもある。
前哨戦の神戸新聞杯を完勝。次元の違う走りから、その偉業は容易に達成できるだろうというのが大方の見解。実際、菊花賞に出走させる、ある調教師は「99.9%負けることはないだろう」と、戦わずして白旗を挙げていたほどだ。
しかし、ここはフルゲート(18頭)必至で、ライバル陣営は意気軒高でもある。確かに過去のデータを見ると、先週の秋華賞とは異なり、簡単には決まらない傾向を示している。
データを見てみよう。02年に馬単が導入されて以降、これまでの18年間、その馬単での万馬券は7回(馬連4回)もある。ちなみに秋華賞の馬単万馬券は昨年まで1回のみ。同じ三冠レースでも、菊花賞は別物と言っていいだろう。
というのも、1番人気馬の7勝(2着1回)に対して、2番人気馬は0勝(2着4回)。1、2番人気馬でのワンツー決着は、わずか1回しかない、波乱含みのGI戦なのだ。
二冠馬コントレイルが父の域に達するかは、容易に見えて実はそうではないのかもしれない。
そもそも、デビュー前、この馬に対する陣営の評価は「マイラーとして大成する器。2000メートルまでがベスト」というものだった。血統的にも3000メートルは長いようにも思え、そうであれば、つけいる隙があってもいいのではないか。
それに出走各馬にとって3000メートルは初めて経験する距離でもあり、どんなドラマが待っているのか、わかったものではない。穴党としては当然、わずかかもしれないが「三冠阻止」の可能性に賭けてみたい。
ざっと顔ぶれを見渡してみると、前走セントライト記念の1~3着馬、バビット(ラジオNIKKEI賞)、サトノフラッグ(弥生賞)、ガロアクリーク(スプリングS)、そして、神戸新聞杯の2~3着馬ヴェルトライゼンデ、ロバートソンキーといったところが、まずは目に入る。いずれの馬も距離延長は歓迎のクチだ。