「森進一詐欺」はなぜ起きた? 同姓同名の給付金50万円を詐取した意外手口 (2/2ページ)
「取り調べに対して男は複数の自治体へ自身のマイナンバーカードを使い、オンライン申請したと自供しているようですが、特別定額給付金のオンライン申請は、マイナンバーカードの情報と申請時の入力情報、住民基本台帳に基づいた給付対象者リストの3つを突合することが基本。しかし、石川県ではその確認作業をすり抜けています。というのも、 オンライン申請は、内閣府が運営するマイナポータルサイト内にある申請ページを通じて申し込む仕組みですが、申請の際には世帯主の本人確認のためにマイナンバーカードが必要で、世帯主以外の家族の名前は申請者が直接入力していたため、申請内容に誤りが多かった。たとえば、1人で複数回申請しているものがあったり、家族の情報を誤って入力していたり……でも、最初の頃はそれでも受け付けられていたんです。で、二重払いなどのトラブルが続出してしまった。対象者に正しく支給するには、世帯情報をまとめる住民基本台帳ネットワークの情報と申請時に入力された情報との照合が必要ですが、世帯情報を持っているのは自治体だけ。そのため、申請内容が正しいかどうかを自治体の職員が1件ずつ目視で確認しなければならず、結果、郵送申請の処理より何倍も手間がかかるという本末転倒の状態が起きてしまった。おそらく、コロナ禍の職員の焦りや混乱がなければ、こんな詐欺は成立しないはず」
意外なことに、その手口は稚拙そのもの。つまり、この詐欺事件はオンライン申請の非効率な仕組みが生みだしてしまった犯罪という側面もあるようだ。
「金に困って犯行に及んだ。間違いありません」と公判で素直に罪を認めているという森進一被告。そんな男にネット上では「おふくろさんを泣かせるなよ!」の声が飛んでいる。
(灯倫太郎)