「森進一詐欺」はなぜ起きた? 同姓同名の給付金50万円を詐取した意外手口 (1/2ページ)
降ってわいたような報道に、本人もさぞやご立腹なのではないだろうか。
石川県内の同姓同名の男性を装い、新型コロナウイルス対策の特別定額給付金をだまし取ったとして、詐欺などの罪に問われた無職の男(50)の 公判が10月20日、金沢地裁で開かれた。 ところが、男の名が「おふくろさん」で知られる歌手の森進一と同姓同名だったことから、本来なら、ベタ記事扱いとなるこの事件が、大きく報道されることになった。
「森被告はネットで全国の同姓同名情報を集め、5月に石川県能登町に住む男性の世帯分の申請書を書き換えて郵送、現金40万円をだまし取り、さらに男性本人を装ってオンライン申請をして10万円を詐取した容疑で起訴されています。加えて、福島県と北海道の男性にも成りすましてオンラインで給付金を申請したんですが、生年月日の情報などから市や村の職員に不正を見抜かれ、未遂に終わった事件も含め、詐欺未遂などの罪で追起訴されています」(全国紙社会部記者)
ネットで入手した「同姓同名」情報をもとに特別定額給付金をだまし取るとは、とんだ不届きものだが、森進一と同姓だったことが報じられると、SNS上では、
《同姓同名の犯行?いや〜、森さんには迷惑な話やな〜》《森進一のなりすましだと思ったじゃねぇか》《お前みたいなやつは冬のリビエラに送還されちまえ!》
という声に交じって、
《でも、有名芸能人と同姓同名の人の人生って大変そう》《犯人もさんざん森進一のモノマネさせられたんだろうな》《やったことはクズだけど、これまでの人生いじられっぱなしだったろう事は気の毒》
といった同姓同名ゆえの苦労に思いを馳せるコメントも少なくなかった。
とはいえ、詐欺は立派な犯罪。育ってきた環境はどうあれ、この男が犯罪に手を染めたことはまぎれもない事実だ。
だが、「簡単に支払うほうも支払うほうで、まさにオンラインシステムの脆弱さが明るみに出た事件」とバッサリ切るのが、ITジャーナリストだ。同氏が言う。