知ってる? 「ご冥福をお祈りします」と言ってはいけない場面 (2/4ページ)
初七日(しょなのか)は三途の川のほとりに到着する日であり、そこから死者は7日ごとにさまざまな審判を受け、49日目に、極楽行きか地獄行きかが決まります。
四十九日の法要は、死者の来世が極楽浄土であるように祈る重要な行事ということになります。
つまり、冥土への暗い道すがら死者が無事であるように、そして冥土にたどり着いたなら平穏に幸せに過ごしてほしいと願う言葉、それが「ご冥福を祈る」という言葉です。
したがって、この言葉は仏教由来の言葉であるということが分かります。
■「ご冥福をお祈りします」を使う際の注意点
ここでは、「ご冥福をお祈りします」を使う際に気を付けたいポイントを紹介します。
◇使える期間は「四十九日の法要まで」
「ご冥福をお祈りします」という言葉を使える期限については、明確には定められておりません。
しかし、前段で解説した通り、故人が「冥途」という暗く光のない道を歩く期間は49日間、つまり四十九日の法要までの期間です。
さまざまな考え方はありますが、「ご冥福」を祈るのはこの日までということになりますので、49日目を過ぎてからは使わないことをおすすめします。
◇宗教によっては「ご冥福」の使用を避ける
「ご冥福」は仏教的な考えの言葉であるため、「冥福」の概念がない他の宗教での葬儀では使用を控えるべきでしょう。
例えば、神道・神式では、人は死後その家の守り神になると考えられていますので、「冥途・冥土」の考えはありません。
キリスト教も同じです。カトリックとプロテスタントで多少の違いはありますが、キリスト教では、人はこの世での生を終えると神のもとに「召される」、つまり天国に帰っていくと考えます。
ですからやはり、「ご冥福を祈る」という考えはありません。
とはいえ、多くの方は「大多数の日本人の葬儀は仏教だから『ご冥福を祈る』で大丈夫ではないか」と考えてしまうのではないでしょうか?
ところが、実は仏教でも宗派によってはこの言葉を使わないケースがあるのです。