知ってる? 「ご冥福をお祈りします」と言ってはいけない場面 (3/4ページ)
それが、浄土真宗です。
浄土真宗では「往生即成仏」、つまり「人はみな亡くなるとすぐに阿弥陀仏に救われて成仏し、幸せになることができる」と考えます。
ということは、暗く先が見えない「冥途」を歩く必要がないのですから、その道中の安全や幸せを願う「ご冥福を祈る」という考えがないのです。
「ご冥福をお祈りします」の使い方(例文付き)
「ご愁傷様です」というフレーズも葬儀の場でよく耳にしますが、こちらは遺族を気遣う言葉です。
一方、「ご冥福をお祈りします」は故人に対して使う言葉です。
訃報を受け取った後から葬儀の場、そして前述の通り四十九日の法要までの使用がふさわしい言葉です。
例文とあわせて、使い方を見ていきましょう。
《例》
「この度は誠にご愁傷様です。謹んでご冥福をお祈りいたします」「ご愁傷様です」という遺族へのあいさつ言葉に続けて、故人への祈りの言葉を述べます。
《例》
「奥様ご逝去との訃報に接し、深い悲しみに打たれております。まずは謹んでご冥福をお祈り申し上げます」「ご逝去」は他人の死の尊敬表現です。上司や目上の方でしたら「お祈り申し上げます」というより丁寧な表現を心掛けましょう。
■「ご冥福をお祈りします」の言い換え表現
これまで見てきたように、「ご冥福をお祈りいたします」は宗教や宗派によっては使用を控えた方が良い表現です。
では、他にどのような言い換え表現があるのでしょうか。
◇「ご愁傷様です」
前述の通り、悲しみに打ちひしがれている遺族にかける声掛け(あいさつ)の言葉です。
そのため、「この度はご愁傷様です」に続けて故人への思いを述べることができます。
◇「お悔やみ申し上げます」
大切な人を失った遺族の無念さ、悔しさに寄り添う最も一般的な言葉です。
宗教・宗派に関係なく使うことができる言葉でしょう。