知ってる? 「ご冥福をお祈りします」と言ってはいけない場面 (4/4ページ)
◇「謹んで哀悼の意を表します」
手紙やメールなどでは、個人の死を悼むこの表現がよく用いられます。
◇「御霊の安らかなることをお祈り申し上げます」
神道・神式の葬儀では「御霊(みたま)」という言葉がよく使われます。
弔電などで用いると良いでしょう。
◇「天国で安らかな眠りにつかれますよう心よりお祈り申し上げます」
キリスト教における「死」は神のもとへ召されることであり、決して嘆き悲しむものではないとされています。
「眠り」という言葉で天国での故人の平安を祈りましょう。
手紙やメールで伝える場合の注意点
手紙やメールなどでは、相手の悲しみを思いやるあまり「お嘆きがどんなに深いことか」というような言葉を繰り返すより、遺族を励ます気持ちを言葉に込めた方が良いのではないでしょうか。
以下、例文です。
☆例文
・「さぞお力落としのことと存じますが、どうぞ皆さまに後のお障りがありませんように」
・「悲しいお知らせで、お慰めの言葉もございません。ご家族様の皆さまには、一日も早くお心が癒えますよう、心よりお祈りいたしております」
・「誠に思いがけないことで、皆さまのお嘆きのほどいかばかりかとご拝察申し上げます。一日も早く立ち直られますよう、お祈りいたします」
・「この度は突然のことで驚いておりますが、どうぞお力落としのないようにくれぐれもご自愛くださいますようお祈り申し上げます」
故人や遺族の心に寄り添った声掛けが大切
以上のように、厳密に言うと、故人の葬儀がどの宗派で行われるのかが確認できないのであれば、「ご冥福をお祈りします」は使わない方が良いのかもしれません。
ですが、どのような宗教であろうとも、実際の遺族にとって愛する人を亡くした悲しさや、それを慰める人たちの思いは同じであると思います。
人生を重ねると、人との悲しい別れの場面に遭遇することが多くなります。
故人との生前の縁に感謝し、大切な存在を失った人の心に寄り添った声を掛けられるようになりたいものです。
(松岡友子)
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