髭男爵山田ルイ53世インタビュー(1)「『パパが貴族』の“が”はガビーン!の“が”」 (2/4ページ)

日刊大衆

タイトルに関しても、僕は本当は帯に書いてある文言『パパがおしごとにいくと、シルクハットがひとつへる』という、ちょっといまっぽい、長めのタイトルにしたかったんですよ。朝井リョウさんの『桐島、部活やめるってよ』みたいな。でも、担当さんは“いやいや、『パパは貴族』だ”と。

 僕としては、『パパ“は”』は、あまりにもありきたりじゃないかと感じてしまって。担当さん的には、子育てエッセイのほっこり感みたいなのを出したかったらしいんですが、そもそも僕は“子育てエッセイ”っていう言葉が好きじゃない。あくまでも、職業を隠している父親と娘の攻防、“面白読み物”っていうことで書いてるので。

 “子育て”とか“イクメン”とかいう言葉をいっさい入れたくなかった。本当は“パパ”も入れてくれるなって言ってたんです」

ーー正直、子育てエッセイ本だと思っていました。

「僕的には“防衛白書”みたいなもの。自分の秘密を守るって部分で。

 大体、子育ての方針なんて立派なものもない人間ですし。唯一、“子どものしたことにはすべてリアクションを取る”っていうのは心掛けていますが、本当に、それだけ。

 いわゆる芸能人とか著名人の方々が書くような素敵なことは書けません。

 そんなこんなで、『パパは貴族』にもっと絶望感というか、ガビーン感というか、“親父が『貴族』とか言うてんの?”っていうイヤさみたいなものを込めたくて。要は、被害者目線……“娘目線”のタイトルにしたかった。なので、“が”だけはこだわりました」

■「褒めていただけるのは有難いですが……」

ーー今回の著書を読んでいると、語彙力が非常に巧みな印象を受けます。以前「星新一が好き」とコメントしていたこともありましたが、影響を受けた本や作家はありますか?

「星新一はもちろん好きですけど、そんな人一杯いるでしょ。全作品読んでますし、ショートショートじゃない作品も好きですね。

 星新一って、お父さんが製薬会社を創業された方で。その人の半生というか一生みたいな本もあって、それも面白かった。

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