池上彰が自身の“働き方改革”を初解説!NHK時代と社会貢献【全文公開】 (3/4ページ)

Asagei Biz

「自分のブランドとは何かと考えた時、『信頼されるジャーナリスト』ではないかと思った。では、そうなるためにはどうすればいいかを考えました」

 NHKを辞めたことが知られると、CM出演の依頼が殺到したそうだが、全て断った。もしその企業に不祥事があったら、コメントができなくなるからである。企業側からは魅力的な金額を提示されたが、出てはいけないと判断したのだ。また、株や金融取引も一切やめている。

「円安が進みますよ、などと発言して、裏でドルを買っていたら、誰も私を信じてくれなくなる。だから普通預金しかできませんが、それがジャーナリストとしての自分を維持するためのモラルなのだと思っています」

 個人が仕事で生き残るために必要なことについて池上氏は、自分のブランドを大切にすることだと主張するのである。会社を辞めて起業したり、定年退職後に個人事業主として何かを始めたり、ボランティアとして貢献したりなど、いろいろな道がある。しかし、たとえ実入りや条件がよくても、時には手を出さず我慢することも、自分が本当にやりたいことをするためには必要なのだ。

「自分の価値を高める努力は、何歳になっても絶やしたくないですね」

 そう語る池上氏は、還暦を迎えた頃から自分の経験を生かし、社会に何か貢献できないかと考えたそうだ。

 ちょうどその頃、東京工業大学から、理系の学生に世の中のことを教えてほしい、という話があった。自分の知識や経験を若い人たちに伝えることは、社会への恩返しになると引き受け、今ではなんと9つの大学で教えている。

「私の仕事の優先順位は、まず大学教授として学生に教えること。それから執筆、取材、テレビ出演の順。1日の平均睡眠時間は5時間くらいですが、とても充実した日々です」

 しかし、20年の春から大きく世の中が変わってしまった。4月から7月までに教えることになっていた大学は4つで、このうち2つの大学ではZoom(ビデオ会議システム)を使っての講義となった。

「受講する学生たちの顔は、私のパソコン上に小さく映っています。熱心に聴いている学生もいれば、時々あくびをする学生、マクドナルドの店内で講義を受けている様子なども一目瞭然。

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