クラシック全敗!生産界の絶対王者「ノーザン帝国」屈辱の大誤算【全文公開】 (3/4ページ)

Asagei Biz

「一昨年で言えば、モレイラ(エリザベス女王杯)やビュイック(マイルCS)もノーザンFの馬でGⅠを制しています。そうした数多くの名手たちの中でも、ムーアやレーン、マーフィーなどは、来日すれば必ず結果を残して帰る。これは馬主や調教師にとっては、非常に頼りになります。今年の2月上旬まで来日していたマーフィーは、国枝調教師(身元引受調教師)と秋に再来日することを約束して母国へ帰っていったぐらいですからね」(競馬関係者)

 しかしコロナ禍のため、その約束を果たすことはできなかった。それが理由で皐月賞、ダービーともに2着に敗れたサリオスの鞍上にも影響が出たという。

「次走がなかなか決まらなかったのも、騎乗者を誰にしていいか決めかねていたためだと言われています。管理する堀調教師は外国人騎手を使うのが大好きですが、マイルCSを使おうにも、ルメールはグランアレグリアに騎乗することが決まっていた。だけど来日する外国人騎手はいない。それで結局、空いているデムーロに決めたようです」(競馬関係者)

 マイルCSもノーザンFの有力馬7頭が出走予定。天皇賞・秋と同様、上位独占もありうるが、コロナさえなければ‥‥、それが関係者の本音かもしれない。

 サリオスのように、有力馬の使いどころについては、クラブ会員から不満の声も聞こえてくる。競馬ライターの兜志郎氏が明かすには、

「ノーザンFは販売ルートとしてサンデーレーシング、シルクレーシング、キャロットファームを持っていますが、クラブの性質上、できるだけ多くの会員に利益を分配したいと考えるのは当然。ですがその結果、強い馬同士を戦わせない『使い分け』が頻繁に行われるようになった。国内GⅠではメンバーが分散され、レースレベルは低下。香港などやオーストラリアに参戦するのも、新たな挑戦というより、飽和気味の有力馬の『テイのいい使い分けの場だ』とボヤいている会員もいます」

 絶対王者ならではの悩みとも言えるが、今後を左右する大きな問題もある。それはポスト・ディープインパクト、ポスト・キングカメハメハの存在だ。

「キンカメの後継種牡馬としてはロードカナロアやルーラーシップがいて、産駒からはクラシックホースも出ています。

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