太宰治の歴史的名著『人間失格』が同調圧力から身を守るヒントになる! (3/3ページ)

新刊JP

■たったひとつの真理「ただ、一さいは過ぎて行く」

表紙

『人間失格』のラストは、意外にも悲劇ではありません。
重度のモルヒネ中毒となった葉蔵は、東北の療養施設でこう考えます。

いまは自分には、幸福も不幸もありません。
ただ、一さいは過ぎて行きます。
自分がいままで阿鼻叫喚で生きて来た所謂「人間」の世界に於いて、たった一つ、真理らしく思われたのは、それだけでした。
ただ、一さいは過ぎて行きます。

仏教で言う悟りの境地。
齋藤孝先生は、本書の中でこう書いています。
「ブッダは教えの中で、幸福になりましょうとは言っていません。幸福も不幸もないと言っています。葉蔵は、最後のシーンでブッダに近づいたのです」
そして、20代、30代、40代、50代……とそれぞれの年代で「悟り」があり、心の中に「静かな湖」のようなものを持っていることが、この世界を生きていくうえで大切なことだと説きます。
『人間失格』のラストでは、これ以上堕ちようのない地獄の底から上を見上げたら、小さく青空が見えた、というような、かすかな希望が余韻として残りました。
「ただ、一さいは過ぎて行く」
つらいときは、この言葉を思い出してください。必ずそれは通りすぎていきます。ずっと変わらないということはありません。だから絶望する必要はないのです。

本書『超訳 人間失格』を読めば、あなたの生きづらさの原因を理解でき、その対処法が見つかるはずです。

コロナ禍で誰もが生き方を変えざるを得ないいま、この本で自分の内面を見つめ直し、そのきかっけにしていきましょう。

(新刊JP編集部)

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