どんな無理でも通してみせる!戦国時代、武田信玄に仕えた武士・縄無理之助 (4/5ページ)
出来っこねぇよ」
そもそも、槍先で鎖を突いたところで戦況が好転する訳でもなく、単なる遊び。命を賭けて強行するほどの価値はありません。
「ほぅ、無理か?……じゃあ、ちょっと見てろよ」
言うが早いか伝右衛門は身を乗り出して敵の矢玉を掻い潜り、槍先で鎖を引っかけたと思ったら、大急ぎで戻って来ました。
「これは面白い。ならばそれがしも」
伝右衛門の豪胆に触発されて今度は越中守が飛び出していき、同じように成功させます。
「……」
無理之助が唖然としていると、伝右衛門と越中守が掴みかかって縄の陣羽織を奪いとってしまいます。
「何をしやがる!」
「この程度の無理も出来ずに、何が『無理之助』なものか。今後は『道理之助』とでも名乗るがよいわ!」
「ははは、左様々々……」
「……うぬら、言わせておけば!」
かくして3人は眼前の敵などそっちのけで大乱闘を始めてしまい、勝頼と長閑斎に仲裁されてようやく収まったということです。
エピローグやがて花沢城は攻略されましたが、無理之助にとっては苦い失点となってしまいます。
その後、無理之助は汚名を雪ぐためによりいっそう武勇を奮い、最期は天正3年(1575年)長篠の合戦で壮絶な討死を遂げました。