年賀状のあいさつ「賀正」「謹賀新年」「迎春」などは意味にどのような違いがあるの?

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年賀状のあいさつ「賀正」「謹賀新年」「迎春」などは意味にどのような違いがあるの?

もういくつ寝ると、お正月……という訳で、いよいよ年の瀬。年賀状は、もう出せたでしょうか。

郵便局では、元日に間に合わせるために12月25日までに出すことを推奨していますが、ちょっとくらい(※)遅れてしまっても問題ないそうです。

(※)1月7日までの「松の内(地域によって異なるが、郵便局による)」ならそのまま、1月8日以降であれば「寒中見舞い」という季節のあいさつになります。

まぁ、いち早くあいさつするに越したことはありませんが、遅れてしまったからと言ってあいさつしそびれ、交流が絶えてしまうのも(こと年賀状くらいしかやりとりしない関係なら特に)寂しいので、気にせずジャンジャン出すといいでしょう。

ところで、年賀状によく書いてある「賀正(がしょう)」とか「謹賀新年(きんがしんねん)」とか、あれには一体どういう違いがあるのでしょうか。今回はそれを紹介したいと思います。

基本的に、文字数は多い方が丁寧

そもそも年賀状とは「新しい年を賀する(よろこび、いわう)」書状ですから、どのフレーズも「明けましておめでとうございます」という意味では同じです。

これを賀詞(がし。詞は言葉の意)と言い、以下のフレーズなどがよく使われています。

謹賀新年(きんがしんねん)
⇒つつしんで新年をお祝いする意。

恭賀新年(きょうがしんねん)
⇒うやうやしく新年をお祝いする意。

賀正(がしょう)
⇒正月をお祝いする意。

迎春(げいしゅん)
⇒1年の始まりである春を迎える意。

慶春(けいしゅん)
⇒よろこびの春が訪れたことを示す意。

……等々、この他にも「寿」「」「」などといった一文字の賀詞もあり、こうして見ると文字数が少なくなるほどシンプルというか、フランクな印象を受けます。

謹賀新年が「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます」としたら、賀正は「あけおめことよろ」、賀なら「おめ!」という感じでしょうか。

誰にでも丁寧な態度を(イメージ)。

基本的に、短い賀詞は対等かあるいは目下の者に対して使うのが無難ですが、たかだか数文字の違いですから、誰に対しても丁寧なあいさつを心がけるのがおすすめです。

ちなみに、賀詞は「新年明けましておめでとうございます」などの長ったらしい?あいさつ文に代えて使うもの(要するに同じ意味)ですから、余白の埋め草とばかり賀詞とあいさつ文を同時に使ってしまうと、ちょっと野暮ったく見えてしまいます。

元旦は「元日(1月1日)の朝」の意味

せっかくなので、ついでに「元旦」と「元日」の違いも紹介しておきます。

年賀状テンプレートだと、たいてい「令和三年 元旦」となっていますが、元旦(※)とは「1月1日の朝」限定。対する元日は「1月1日0:00~23:59」まで丸一日を指し、年賀状の元旦は「朝一番でごあいさついたします」という誠意を込めているわけです。

(※)元は「はじめ」を意味し、旦は地平線から昇る太陽つまり「朝」を意味し、合わせて「一年のはじめの朝」となります。

そこで配達員の皆さんはどうにかして午前中いっぱいに届けようと早朝から奔走するのですが、1月1日いっぱいは元旦に含める(見逃してもらう)として、明らかに1月1日に届きそうもない(予め分かっている)場合は「新春吉日」と、めでたい表現ではぐらかす手も使われます。

「遅いぞ!もう9時20分じゃないか!」

かつて郵便配達のアルバイトをしていた時、よくそう叱られましたが、なるべく早く届けようとみんな頑張っていますから、午前中いっぱいは「元旦」の範疇ということで、大目に見てあげて欲しいです。

また、たとえ午後になだれ込んでしまっても、それこそ1月2日以降になってしまっても、せっかくめでたいお正月ですから、配達の遅れも「待つ楽しみ」が増えたと考えて、のんびり笑ってお過ごし頂ければ、そのうち福が来ることでしょう。

※参考文献:
矢部惠子『おつきあいの基本がわかる 手紙の書き方と贈り物のマナー』マイナビ出版、2018年10月

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