知らぬ間に症状が現れている? 長引くコロナ禍でのメンタル不調予防対策 (2/2ページ)
人に話すことで自分を客観視できて新たな視点を持つことができるだけでなく、解決はできなくても聞いてもらうだけで気持ちが楽になる効果がある。逆に、人の相談に乗るという行為にもメンタルに良い効果を与える。自分と同じように不安や悩みを抱えている人がいることを知るだけでも孤独や不安が緩和される効果があるほか、相手の相談に乗ることで自分も気兼ねなく相手に相談できる。また、他人の相談に乗ることを含め、他人に親切にすると幸福ホルモンといわれているオキシトシンが分泌されることが分かっている。そして、このように人と人との精神的なつながりを持つことは、孤独感を軽減することにもつながる。
コロナ禍で肌トラブルを訴える女性が急増 ストレスが肌にもたらす仕組みと対処法は
行動面では、適度に日を浴び、散歩程度でもいいので軽めの運動をすることを心がけるのが望ましい。散歩は、身体的な健康だけでなく、メンタルヘルスの面でも効果が得られることが分かっている。また、屋内で過ごす時間が多い中で、長時間座りっぱなしや一日のほとんどを寝たきりでいるなど、同じ姿勢でいることを避け、こまめに動こう。柔軟体操などを取り入れるのも良い。
食べ物もメンタルヘルスと深い関わりがある。ビタミン類やタンパク質などの五大栄養素を中心とした栄養素をバランスよく摂取するするのはもちろんだが、糖分や脂肪分の取り過ぎには注意したい。また、コーヒーやエナジードリンクなどに多く含まれるカフェインの過剰摂取にも注意が必要だ。
そして、特に警戒したいのが飲酒である。特に、孤独感を和らげる目的やストレスを解消するという目的で酒の力を借りることは避けたい。こうした理由で酒を利用すると、アルコールへの依存性を高めるだけでなく、問題の根本的な解決を遠ざけてしまうことになる。さらに、理性や判断力を低下させる酒は、瞬間的な自殺衝動との関連性が強いことでも知られている。高ストレス状態での飲酒は特に注意が必要である。
人には、環境に適応するための潜在的な能力が備わっている。コロナ禍という厳しい環境においても一人一人にその能力が発揮されることを信じ、つらい時は精神的に支え合いながら乗り越えていきたいものだ。
文:心理カウンセラー 吉田明日香