様々な形式、様々なやり方。今、お墓について考えておきたいこと (3/3ページ)

新刊JP

また、海洋葬について、ここにも日本人の仏教的な考え方であったり、あとはお墓ってちょっと窮屈な場所に押し込められるイメージを持っていらっしゃる方も多いので、そうしたところから今、非常に注目が集まっているのかなと思います。

――海洋葬は、遺骨を海に散骨して供養するタイプのものですね。

樺山:そうです。ただ、デメリットもありまして、海全体がお墓になるわけですから、ちょっとお墓のフィールドが広すぎてしまうという点があります。故人のことを思い出しにくくなるみたいな声はあったりします。

一方、樹木葬は目印となる樹木等がありますから、そういったことはありません。

――今後、永代供養墓が普及する中で、その墓を管理する寺院の役割にも変化が出てくると思いますが、その点についてはいかがでしょうか?

樺山:これまでは檀家と呼ばれる家がありまして、例えば1つのお寺を200とか300の御檀家さんが支えていたんですけど、やっぱり本堂を建て直すときとか、その檀家さんの負担もすごく大きくなってしまうんですよね。そうした中で、檀家制度が核家族化や少子高齢化で揺らいできて、維持するのが難しくなってきています。

そこで、永代供養墓が今後はお寺を支えていくことになるだろうと思います。今や、法要の数も檀家さん以上に永代供養墓に入っている方のほうが上回っているということもありますから。

――前の方で、永代供養墓は生前の宗旨宗派問わずに入れるとおっしゃっていましたが、それは本当なんですか?

樺山:基本的に私たちのご提供する永代供養墓はそうなっています。ただ、そのお寺が真言宗であった場合は、基本的に真言宗の方式で供養させていただきます。自分の宗派にこだわりがあって、「どうしても浄土宗でないといけない」という方は、その宗派のお寺の永代供養墓に入られます。

日本人の宗教観はとても緩やかで、仏教も宗旨宗派があるとはいえ、もともとは一つです。基本的にお経の種類も同じであったりしますし、多くの方は宗旨宗派の違いをあまり気にされないですね。

――では、本書をどのような方に読んでほしいとお考えですか?

樺山:そうですね。世代問わず幅広い方々が読める内容になっていますが、お寺の方にもぜひ読んでいただきたいです。実はお寺の方も最近のお墓事情を知らなかったりするんです。また、やはりお墓について考えるタイミングが近づいてきている世代の方にもぜひ読んでいただければと思います。今はこういうタイプの墓も出てきているということを知っていただくだけでも、ありがたいですね。

(了)

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