利己的な精子。精子の能力はどれも同じではない可能性(英研究)

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利己的な精子。精子の能力はどれも同じではない可能性(英研究)
利己的な精子。精子の能力はどれも同じではない可能性(英研究)

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 こんな大変な世の中だ。今人生がうまくいっておらず、自分はなんてダメなんだと思っている人もいるかもしれない。でも思い出してほしい。あなたは精子の時代から熾烈な競争に勝ち残って、この世に生を受けたのだということを。

 父親の精液に含まれる無数の精子の中で、無事に母親の卵子と受精することができるのは、基本的にたった1匹だけだ(あなたがそれだ)。

 これまでそれぞれの精子が受精する確率は、どれも等しいと考えられてきたが、ひょっとするとその前提は正しくないのかもしれない。

 私たちはすでに精子の頃から、生き残りをかけてさまざまな工夫を凝らしているようだ。

・メンデルの法則が成り立つには精子の能力が同じであることが前提

 今日まで続く遺伝学は、オーストリア帝国の司祭グレゴール・メンデルがにエンドウマメの研究から「メンデルの法則」を発見したことで始まった。

 その法則の1つ「分離の法則」では、父親と母親がそれぞれ1対ずつ持つ対立遺伝子は、それぞれの親から50%の確率で子供に受け継がれると説明している。

 たとえば父親がAA、母親がaaの対立遺伝子を持つとすると、50%の確率でAが、50%の確率でaが受け継がれ、Aaの対立遺伝子を持つ子供が生まれる。AaとAaの両親で子供を作れば、AA、Aa、aaが1:2:1の割合で生まれる。

 だがこれが成り立つためには、どの精子の能力も同じでなければらない。つまり、どの精子も同じくらい上手に頸管粘液を泳ぎ、同じくらい上手に受精する力がある。これが従来の前提だった。

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・精子の能力は必ずしも同じでない可能性

 しかし『Science』(1月14日付)に掲載された研究によると、精子の能力は必ずしも等しくないかもしれないのだそうだ。

 英オハナ・バイオサイエンス社をはじめとするグループは、1万2000個の遺伝子に含まれる特定の対立遺伝子の割合を比較してみた。

 すると精子の中には、他の仲間が持っている遺伝子変異がなく、それが精子の能力の差につながっている可能性が明らかになったという。

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・遺伝子は従来考えられてきた以上に利己的

 イギリスの動物行動学者リチャード・ドーキンスが述べたように、遺伝子とは自分の成功率を高めるよう行動する「利己的」な存在である。

 そして新しい研究によるならば、遺伝子は従来考えられてきた以上に利己的であるようだ。

 精子の能力を高める対立遺伝子は、より急速に広まることができるだろう。だが、それは個人が生きて子供を残す能力を高めるからではなく、ただ精子間の競争に勝ちやすくしているからだ。

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・遺伝についての理解が変わる

 研究グループのロビン・フリードマン氏によれば、そうした違いは微かなものかもしれないという。

 それでも、ランダムではない対立遺伝子の継承は、これまで想定されていたよりもずっと一般的だったと考えられ、遺伝についての理解を大きく変える可能性があるそうだ。

 そうした影響は個人レベルでは気がつかない程度かもしれないが、集団レベルなら利己的な遺伝子への偏りが検出される可能性もあるとのこと。今後の研究結果を待つとしよう。

References:Science / inverse / iflscience/ written by hiroching / edited by parumo
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