宇宙の中心で象を数える。衛星カメラとディープラーニングを使用した画期的な個体数の調査法が開発される (3/3ページ)

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 また、衛星は国境管理や紛争に関係なく惑星を周回できるため、国から国へと移動する動物の数を簡単に数えることが可能になる。

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pixabay

・更に小さな種も検出可能になることを期待

 今回の研究は、衛星画像とアルゴリズムを使用して種を監視した最初の研究ではないが、不均一な風景、つまり開いた草地や森林、また部分的な被覆の領域を含む背景を移動する動物を確実に監視した最初の研究となった。

この種の作業は、以前にクジラで行われていました。クジラの場合は、海はすべて青いので数えるのはそれほど困難ではありませんでしたが、今回の観察は不均一な景観のため、動物の特定はより困難でした。

しかしながら、脅威に晒されている種を救うため必要なデータを収集するのに、私たち研究者は役立つ新しい最先端のシステムを見つける必要があります。(イスポワ博士)

 研究チームは、ジャーナル誌『Remote Sensing in Ecology and Conservation』に、ゾウの検出作業に関する論文を発表。彼らの研究が生物多様性を保護し、人間の活動によって引き起こされる進行中の絶滅を遅らせ、窮状にある保護活動家を支援する技術の可能性を示すこと信じていると述べている。

 イスポワ博士は、「種を救うためには、正確な監視が不可欠です。この先、宇宙からはるかに小さな種をすぐに検出できるようになれば」と、更なる研究に期待を寄せている。

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designerpoint/pixabay

 なお現在、野生のアフリカゾウは、推定40,000~50,000頭が確認されているが、その個体数は干ばつや民族戦争などによる生息地の喪失や密猟により減少しており、IUCNレッドリストの絶滅危惧種に「危急種」に指定されている。

written by Scarlet / edited by parumo
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