自分の死亡届を勝手に提出された女性、自分の生存を証明するため3年を費やす(フランス)

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自分の死亡届を勝手に提出された女性、自分の生存を証明するため3年を費やす(フランス)
自分の死亡届を勝手に提出された女性、自分の生存を証明するため3年を費やす(フランス)

偽の死亡届を取り消すことが困難なフランス:Forras Radio/Facebook

 ピンピンと元気に生存しているにもかかわらず、自分の知らないところで勝手に死亡届けを出されていたという驚きの出来事が、フランスに住む女性に起こっていた。

 この女性の死亡届は3年前に裁判所で公式に法的受理されていたという。現在も、女性は自分が生きていることを証明するため、死亡届の取り下げを求めて戦い続けている。『The Guardian』などが伝えた。
image credit:TF1 Le JT/Facebook

・いったん受理された死亡届を取り消すことの難しさ

 フランスのリヨン郊外サン=ジョセフに住むジャンヌ・プーシェンさん(58歳)は、2016年に勝手に死亡届を裁判所に提出され、それが法的に認められたことにより、現在はフランス当局に「生存していない」と認識されている。

 プーシェンさんは、この3年間自分が元気に生きていることを証明しようと弁護士と死亡届の取り下げについて戦ってきた。しかし、一旦法律上で死亡が認められてしまった以上、なかなか容易ではないようだ。

 実は、この出来事の背景には、清掃会社の元従業員を巻き込んだ長期にわたる法的論争があった。


・裁判で元従業員がプーシェンさんが死亡したと伝える

 メディアが伝えたところによると、プーシェンさんは過去にとある清掃会社の管理職として働いていた。しかし、その会社が2000年に複数の従業員を解雇する事態になった。

 2004年、解雇を不服としたひとりの元女性従業員が、産業裁判所に賠償金の支払いを求める訴えを起こしたが、プーシェンさん個人ではなく会社を訴えたことで、プーシェンさんからの賠償金の支払いは執行されなかった。女性は再び2009年に裁判を起こしたが、訴訟は棄却された。

 この法的論争は長引き、7年が経った2016年、原告女性はプーシェンさんが死亡したと裁判所で伝えた。

 というのも、幾度となくプーシェンさんに出した損害賠償についての手紙の返事が全く来なかったからだ。女性は、プーシェンさんの代わりに彼女の息子や夫に損害賠償の支払いを命じるよう裁判所に求めた。

 この時、裁判所の誰一人として、原告側の女性の「プーシェン死亡説」を疑わなかったようだ。

 現在、プーシェンさんの死亡届を取り下げるために戦っているシルヴァン・コルミエ弁護士は、このように話している。

信じられないクレイジーな話です。裁判官が、死亡証明書なしに誰かの死を認め、法的に宣告するなどあり得ない話だと思っていました。

ですが、届け出をした原告女性は、プーシェン夫人の死亡証拠を提出することなく夫人の死亡を主張し、裁判所も誰も調査しようとせずにその言い分を信じたのです。


・生存が認められず身分証明もできないまま

 勝手に死亡届を出されたことで、プーシェンさんは当局の公式記録から削除されてしまった。

 この3年間、存在していないとされているプーシェンさんは、身分証明書や運転免許証、銀行口座、健康保険など、自分の存在を証明するために必要な全ての公式文書の発行が全て無効になっているという。

 プーシェンさんは、自分の家族から損害賠償を勝ち取ろうとして勝手に死亡宣告した原告の女性を非難している。

 しかし女性の弁護士は、プーシェンさんが損害賠償の支払いを避けるためにした自作自演の芝居であり、プーシェンさん自身が死亡届を偽装して提出したと反論している。

私には、この3年間身分証明書も健康保険もありません。生きていることを銀行に証明することもできず、本当に苦難を強いられています。

最初は、私がまだ生存しているということを医師に証明してもらいさえすれば、スムーズに問題解決すると弁護士に言われたのですが、そんな簡単にはいきませんでした。

でも、私自身が戦わなければ、誰も私のために何もしてくれないので、諦めずに戦います。

 現在も、死んだままになっているプーシェンさん。生存を証明するための戦いは、まだまだ続きそうだ。

written by Scarlet / edited by parumo
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