電通マンが休職して-8℃の極寒100日修行を敢行 そこで得た結論とは (3/4ページ)
――仕事に関してはその価値観の変化は影響しましたか?
元井:物事を一歩引いた目で見るようにはなったと思います。何か問題に巻き込まれても、どこか冷静といいますか、「問題の渦中にいる自分」を俯瞰的に見るようになったと思いますね。
最悪な状況であっても、その状況にいる自分を「まあ、こんなもんかな」と見るくせがついたのは高野山に行ってからだったと思います。
――個人的には人間関係の章に学びが多かったです。特に「怒られ上手になる」「威張らない」などは歳を重ねるごとに大事になることなのかもしれません。年齢を重ねても謙虚でいるための秘訣はありますか?
元井:それは単純です。たとえば40歳で部長になるという目標がある人は、39歳でそれが狙えるポジションにいると増長するんですよ。何か言われると「ふざけるな、何年この仕事をしていると思っているんだ」となりやすい。
だけど、同じ39歳でも55歳で社長になろうと思っている人は、人から苦言を呈されたら、むしろありがたいと感じるはずです。結論を言うと、目標を高く遠くに置いておけば、いつまでも謙虚にいられるということです。
――また、「無理難題を言う人には2パターンある」というのも勉強になりました。「無理難題を言って、相手がどれくらい自分の言うことを聞くか試している人」と「自分の意見が常に正しいように感じている人」の2通りがいるということがわかると、そういう人に出くわしても冷静に対処できる気がしました。
元井:びびる必要はなくて、冷静にやれることとやれないことを伝えればいいんです。威圧的な物言いをする人間に会うと、どうしてもびびってしまうのは人間なので仕方ないことです。そんな時は、びびっている自分を俯瞰して「あ、今びびっているな。普通だな」と思えばいい。びびらない方がおかしいんですから。
――本書を通して、仕事を通して自分をアピールしたいという「我」の存在が、いかに仕事の邪魔をするかがよくわかりました。ただ、「我」は自分を向上させるために必要なものでもあります。