電通マンが休職して-8℃の極寒100日修行を敢行 そこで得た結論とは (1/4ページ)
仕事において、意気込みと結果がかならずしもリンクしないのは誰もが感じているところ。
力んだり、気負いこんだりすれば、視野は狭くなるばかり。逆に、力を抜いて状況を俯瞰したり、課題や問題に抗うのではなく、あえて流れに身を任せてみると、思いのほかいい結果が出ることがある。
電通でクリエイティブディレクターとして活躍しながら高野山で真言密教を学び、阿闍梨の位を授かるという異色の経歴を持つ元井康夫氏の『「がんばらない」という智恵~自分でできる働き方改革~』(辰巳出版刊)は、力を入れるばかりでなく、力を「抜く」働き方を指南する一冊。
抗わず、戦わず、こだわらずに成果を出す。そんな働き方ができたら最高だ。今回はご本人にお話をうかがい、その秘訣を教えていただいた。その後編をお届けする。
■電通クリエイティブディレクターが高野山で身につけた新たな価値観とは――また、元井さんのキャリアでユニークなのが、仕事を休職して、高野山での修業生活に入られたことです。この修行生活が仕事観や人生観に与えた影響についてお話をうかがえればと思います。
元井:「ここがこうよかった」という明快なものはないのですが、あえて言うなら「我慢する」ということを覚えた気がします。
高野山って、恐ろしく寒いんですよ。私が高野山に入った時は-8℃くらいまで下がる時期だったのですが、そこで朝3時に起きて水をかぶって、ぺらぺらの僧服一枚着ただけで雑巾がけをして、掃除をして、寒いところでお経を読んだり、何時間も座禅を組んで、夜は隙間風の入る宿坊で、せんべい布団1枚で眠る、という生活をずっと続けるわけです。手はあかぎれ、しもやけだらけになりますし、身体はがちがちに固まります。寝てもまったく休まりません。もちろん、どの行程を1回休んでも修行者としては失格です。そんなですから、よほど強い気持ちがないと、すぐ帰りたくなるんです。