電通マンが休職して-8℃の極寒100日修行を敢行 そこで得た結論とは (4/4ページ)

新刊JP

このバランスをどうとっていけばいいのでしょうか。

元井:エゴには「いいエゴ」とそうでないエゴがあります。仏教の言葉で「小我」と「大我」というのがありますが、自分のためだけではなくて、周りの人のためにこれをやってやろう、というのが「大我」で、これは悪いものではありません。

対して、私がいた広告の世界には、ある広告がヒットすると「あれは俺の仕事だ」と威張る人がたくさん出てくるんです。「俺の仕事」といっても、宣伝部長がこうしろといったコピーがそのまま出ているかもしれないし、広告制作に様々な人が関わるなかの一人でしかありません。こうやって出しゃばる人が持ち合わせているのが「小我」であって、これはよくない我だと思います。

――最後になりますが、今回の本の読者の方々にメッセージをお願いいたします。

元井:タイトルに「がんばらない」とありますが、「仕事を捨てろ」という意味ではありません。

私は彫刻をやるのですが、彫刻には2つの制作方法があります。一つはモデリングといって、粘土をつけ足して形にしていく方法で、もう一つはカッティングといって、ノミで石や木を削っていくやり方です。

モデリングは言ってみれば「足し算」で、カッティングは「引き算」です。人生を生きるうえでも、仕事をするうえでもこれらは両方必要なのですが、多くの人は「足し算」の方ばかりしがちなんです。何かを足していく方法ばかりになってしまう。

それだけではなくて、「引き算」のやり方もぜひ覚えていただきたいのですが、こちらは智恵がいります。世の中のことや人間のことを理解して、見極めないといけません。その智恵を身につけるために、この本を役立てていただけたらうれしいですね。

(新刊JP編集部)

元井康夫さんインタビュー前編を読む

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