目の前のヤツはすべて斬る!博多の「喧嘩勘兵衛」こと小森勘兵衛の無鉄砲エピソード (2/5ページ)
時の松方正義(まつかた まさよし)内閣が、海軍予算の拡充を推進するため、反対する民党(野党)を妨害して吏党(与党)を助けるという、後世に悪名高き「選挙干渉」を行った時のことです。
「いいか!民党支持の有権者へ一軒々々『ご挨拶』して、吏党への投票を『お願い』して来るのだ!」
「「「へい!」」」
具体的には賄賂を渡して買収し、それに応じなければ力ずくで脅し、抵抗するなら殺害も辞さないという、実に凄まじい「お願い」だったそうです。
こういう荒事なら我らにお任せ……ということで、仁平一家も意気揚々と出陣。もちろん勘兵衛も大立ち回りを演じるのですが……。
敵も味方も関係ねぇ!目の前のヤツはすべて斬る!さて、毎日どこかで銃声や剣戟が響き、火の手の上がらぬことはなかった、ある夜のこと。
各地に展開している子分たちを指揮していた仁平のもとへ、血みどろ姿の勘兵衛が帰って来ました。
「おい、その姿はまさか斬(や)られたか!?」
しかし勘兵衛は呼吸こそ荒いものの外傷はほとんどなく、返り血を浴びただけのようです。