目の前のヤツはすべて斬る!博多の「喧嘩勘兵衛」こと小森勘兵衛の無鉄砲エピソード (3/5ページ)
「何ぶん暗がりで誰が誰だか判らなかったが、大牟田(おおむた)川のほとりを歩いていたら、向こうから三人やって来て、真ん中のヤツが頭目らしかったので、そやつを斬った」
それを聞いて仁平は心底呆れ、怒りました。
「お前、敵か味方かも確かめないで斬ったのか?もし味方だったら何とするつもりだ!」
「そんなこたぁ、俺には皆目わからねぇ。俺は今喧嘩をしていて、相手がいるから斬っただけだ……もし味方だとしても、今は命のやりとりをしているんだから、誰に斬られようとそんな事は関係ねぇ」
まったく無鉄砲もいいところですが、なるほど喧嘩勘兵衛の二つ名に恥じないと言うべきなのでしょうか。
「まぁ……今さら斬(や)っちまったものは仕方ないさ。お前、今から警察に出頭して来い。警察は俺たち(吏党派)の味方だから、(形だけ取り調べて)すぐに釈放してもらう手はずをつける」
勘兵衛では上手く事情を話せまい、と書状を認めた仁平はそれを勘兵衛に渡すと
「いいか。取り調べでは『向こうが先にピストルで撃って来たから、逃げることも叶わずやむなく斬った』と言え。