テレワークの費用について明らかになった国税の見解を元国税の税理士が解説 (1/2ページ)

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テレワークの費用について明らかになった国税の見解を元国税の税理士が解説

税務上、会社の経費として認められる支出は、言うまでもないことですが「事業に関する」ものです。このため、役員や従業員の「個人的な」費用は経費として認められません。結果として、自宅の電気代や、私用でも使う携帯電話の料金を経費とすることはできません。
しかし、世界に恐怖を与えているコロナ禍は、この当然のルールについても、見直しを余儀なくさせています。というのも、コロナ禍で人との接触を極力避けるべきとされることから、テレワークが普及することになったからです。
テレワーク、すなわちインターネットを経由して在宅勤務をすることは、まさに「事業に関する」ことです。このため、自宅で勤務することで追加的に発生する費用については当然に経費になるはずで、この取扱いの明確化が求められていました。

■テレワークの補助と税務の常識

ここで問題になることが二つあります。一つは、税務の大原則として、事業とプライベートの両方に共通する費用は、原則として経費にならないという取扱いがあることです。典型例として、スーツなどの衣服費があります。スーツはビジネスに関係する費用ですが、プライベートの冠婚葬祭の際も使えるものですから、事業とプライベート、両方に関係するものです。このことを踏まえ、税務上スーツの購入費用は経費にならないとされます。

もう一つは、住宅手当など、現金を従業員等に渡す場合には、給与として取り扱われることです。テレワークの費用は、基本的には従業員等が払った費用のうち、一部を会社が補助するということになるはずで、テレワーク手当、のような形で現金で支給することが多いでしょう。となると、給与として課税されることになりますから、税務の大原則としては、テレワークの補助を出すことが難しいのです。


■国税の見解が出された

このような問題があったのですが、先日、国税がテレワークの補助について、Q&Aを公開しました。そこでは、テレワークに係る費用のうち、通信費や電気料金について、実費精算方式で精算するのであれば、非課税で支給できると解説されています。実費精算なら手当ではありませんので、給与として課税されることもない、という理屈になります。

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