「日本はすごい国」論にひそむ危険な兆候 (4/4ページ)
執筆・制作過程で心がけていたことについて教えていただければと思います。
坂木:「歴史の教訓を現代に活かす」ということを一番に主張したかったので「日本はすごい」的なことはあえて書きませんでした。そういうことを書いた本はたくさん出ていますから。その代わりに日本人のダーティな暗部をできるだけシンプルに書こうと思っていました。そのためにマンガやイラスト、図表を多く入れて、登場人物が対話を通して歴史の事実に迫っていく形式にして、若い人に少しでも目を向けてもらえる工夫をしています。
また「歴史が大きな流れとして理解できるようにする」ことも大きなテーマでした。一部のローカルな紛争を取り上げて「中国が悪い」「日本が悪い」という犯人捜しをするのではなく「そもそもこの紛争はこういう理由で起きたものだよ」という、源流に立ち返って解説することにこだわっています。
たとえば南京事件だけを見て、どちらが悪かったのだと今話しても意味がありません。そうではなくて「そもそも日本はなぜ日本は中国大陸に進出したのか」という原点を問うことが大切だと考えています。
(後編につづく)