死んだ人間の脳を手術で生かし続けようとした医師の物語 (3/4ページ)
・彼はマッドサイエンティストだったのか?
世間の批判とは裏腹に、ホワイト医師は科学技術を追求したいだけの、いわゆるマッドサイエンティストなどではなかった。
それどころか敬虔なカトリックの信者で、神父として2人のローマ教皇と友情まで育んでいた。

パウロ6世とヨハネ・パウロ2世が彼に寄せる信頼は、バチカンの生命倫理委員会に参加し、死とは具体的にどの瞬間のことを意味するのかなど、現代医療の矛盾に取り組むよう要請されるほどに厚かった。
ホワイト医師は神の一団に所属していると感じていたようだ。「手術をするとき、私の手は神の導きにしたがっている」と述べており、自分が正しいことを行なっているとの揺るぎない信念があったという。
だが胴体移植によって人を救うという彼の計画が、ローマ教皇から祝福されることはなかった。ベトビッツの手術が実施されることもなかった。そのための資金を集めることができなかったからだ。
人命はあらゆる犠牲を払ってでも救う価値があるとホワイト医師は感じていた、とシラス氏は話す。だが彼の信念が実現することはなかった。もしかしたら、それもまた神の思し召しだったのかもしれない。
以下はホワイト医師の生前のドキュメンタリー映像である。猿の手術映像などが含まれているので閲覧には注意が必要だ。