架空請求業者から思わぬ“逆襲”も…「詐欺撃退動画」に潜むリスクとは? (1/2ページ)

Asagei Biz

写真はイメージです
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《契約が完了しました。解約するためには30万円が必要です》

 3月上旬、北海道釧路地方に住む70代の男性が、自宅のパソコンで無料を謳った大人向け動画サイトを閲覧していたところ、突然、画面にこんなメッセージが表示された。慌てた男性がメッセージにある番号に電話すると、「解約するには今なら25万円です」と異なる金額を提示されたという。このケースでは男性が地元警察に相談したことで未遂に終わったものの、全国各地で同様の架空請求詐欺事件が後を絶たない。

 ところが、最近、そんな架空請求業者に電話して撃退する、あるいは標的になったフリをして業者をからかうという動画が急増しているのだ。ネット犯罪に詳しいITライターが語る。

「実は、以前からYouTubeやニコニコ動画などで『架空請求』『撃退』と検索をかけると、この類の動画がポツリポツリとアップされていたんです。ただ、さほど数は多くなかった。ところが、コロナ禍で自宅にいる機会が増えたこともあるのか、昨年からこのテの動画がやたらと増えたんですね。たとえば、小学生や外国人に扮して架空請求業者に電話をかけ、その噛み合わないやり取りを笑いのネタにしたり、なかにはオペラ歌手、歌舞伎役者、狂言師などの設定で電話し、その会話をアップしている人もいて、今や、こういったコンテンツがひとつの人気ジャンルになっているんです」

 そもそも相手が架空請求業者であることを認識したうえで、連絡しているのだから、業者側から見れば迷惑電話だ。こうしたアプローチが、架空請求業者の撲滅につながることを願ってやまないが、みずから火中に飛び込むような行為におよんで危険はないのだろうか?

「当然のことですが、架空請求業者の多くが、反社会的勢力と何らかのかかわりがあるグループです。そんなグループをおちょくって、さらには会話のやり取りを動画にアップするわけですからね。最近の業者はこちらが非通知だと電話に出ませんから、つい自分の携帯で電話してしまう人もいる。結果、電話番号から住所を割り出され、突然訪問されたというケースもあります。

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