植物の遺伝子を取り込んで利用する、恐るべき能力を持つ昆虫の存在が明らかに(※昆虫出演中) (2/4ページ)
ただでさえ稀な水平伝播が、動物と植物で起きたことが確認されたのは、害虫として知られる「コナジラミ」というカメムシ目の昆虫だ。
成虫になると白いハエを連想させるコナジラミの腸組織から、「BtPMaT1」という植物由来の遺伝子が発見されたのである。
これは植物が「フェノール配糖体」という自分の毒から身を守るための防御遺伝子だが、コナジラミは狡猾にもこれを利用して植物の毒から身を守っている。

葉の上にいるコナジラミ credit:Jixing Xia and Zhaojiang Guo
・植物の能力を吸収して毒に対抗
BtPMaT1遺伝子は、グルコシドの化学基に付着する酵素を作り出し、コナジラミの体内で起こる有害な作用を防いでいる。
実際、コナジラミがトマトを食べたとき、BtPMaT1がフェノール配糖体を中和して無害化されることが観察されたとのことだ。
相手の防御メカニズムを自身のゲノムに取り込み、無効化するコナジラミの戦略を、研究グループは、中国の古典『韓非子』に記されている「矛盾」というエピソードに喩えている――最強の矛には最強の盾で対抗すればいいというわけだ。