【話題】音楽教室訴訟原告団233名が最高裁判所に上告 / JASRACは音楽教室の社会的役割に配慮してない「著作物使用料」 (2/3ページ)

バズプラス

控訴審判決によれば、同じ教室内のレッスンにおける演奏であっても、音楽を学ぼうとする生徒が楽器を演奏できるようになるために行う毎回の練習であれば著作物使用料が発生しないものの、同時に生徒の上達をサポートするための教師のお手本については、著作物使用料が発生することになります。こうした判断は、社会一般が捉える音楽教室の実態から乖離したもので違和感があります。現時点おける私たちの主張のポイントは、次の通りです。

1. 著作権法第22条(演奏権)に定める「公衆に直接聞かせることを目的」とした演奏に該当しないこと
控訴審は、教師の演奏については、第一審と同様、音楽教室事業者の管理支配下において行われているとし、演奏の主体は音楽教室事業者であると述べた上で、音楽教室事業者からみれば生徒は「公衆」であると判断しました。しかし、教師は個々の生徒のレベルに合わせて、その時々で、指導のために必要な範囲で演奏するものであり、事業者が管理支配できる性質のものではありません。また、生徒が何年レッスンに通い続けても、不特定の「公衆」のままであるというのは不合理です。

2. 音楽教室事業者は既に著作物使用料を支払っていること
音楽教室事業者は、音楽を扱う事業を行っている者として著作権を十分に尊重しています。楽譜や発表会での著作物の使用について、きちんと申請し、支払いも行っております。今後更にレッスンの教師の演奏に対し毎回使用料を徴収されることになれば、音楽教室事業者、特に個人教室の経営を圧迫し、使用する楽曲の範囲が狭くなるおそれがあります。このような流れは、音楽の利用の減退を招き、音楽文化の衰退に繋がり、最終的には権利者への利益の還元に支障をきたすものとなります。

3. 権利保護・利用促進・演奏家育成のバランスをとること
音楽教室は将来の楽器演奏家や愛好家を育てており、これ自体が社会的使命であり社会教育そのものです。私たち音楽教室事業者は、著作権を大切な権利として尊重する一方で、著作物を演奏できる人材育成を行い、利用しやすい環境を整備し、最終的に権利者への利益を還元するというバランスの取れた好循環が音楽文化の発展につながると考えます。

「【話題】音楽教室訴訟原告団233名が最高裁判所に上告 / JASRACは音楽教室の社会的役割に配慮してない「著作物使用料」」のページです。デイリーニュースオンラインは、音楽教室訴訟原告音楽教室における著作物使用にかかわる請求権不存在確認控訴事件著作物使用料弁護団音楽教育を守る会カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧