橋本奈々未の個人PV「三浦半島」「自撮り」がアイドルのPVとして“異端”に見える訳【乃木坂46「個人PVという実験場」第17回4/5】 (2/3ページ)

日刊大衆

https://www.youtube.com/watch?v=Gbc8tJjYUss
(※橋本奈々未個人PV「三浦半島」予告編)

「ぶらり旅」が統一テーマに掲げられた3rdシングルの個人PVでは通常、特定の土地にメンバーが趣き、その地での旅情や散策などが主題となる。しかし、橋本奈々未の作品では、「ぶらり旅」をテーマに掲げられた個人PV制作の打ち合わせ風景から映像が始まり、そもそも「ぶらり旅」とは何かを橋本がスタッフに問うてみせる。

 前々週に扱った松村沙友理の個人PV「うそつき」(https://taishu.jp/articles/-/93033)などがそうであるように、個人PV内で「個人PVを制作するプロセス」が虚構として演じられるケースは時折ある。

 しかし、それらは個人PVというコンテンツがある程度の年数を重ねて、乃木坂46にとって当たり前の存在になっているからこそのメタ的な趣向である。だが、この橋本の作品はデビューから半年にして、すでにコンテンツの所与の前提を問い返す構造を持っていた。

 やがて三浦半島が舞台となるこの作品は、独特のテンポを保ちながらいささか不条理な軌道を描いて幕を閉じる。作中で橋本が出会う登場人物の振る舞いも各シーンの展開も、明確に虚構として形成されている。

 そして、最後まで旅先の風景や紀行そのものが主役になることはなく、作品に与えられたテーマを橋本がしつこく問い返すことに主眼が置かれ、このシングルの個人PVのうちでも異質な手ざわりをもつものになった。

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