パパ大好き!やんごとなき少女が想いを伝えた『徒然草』のほっこりエピソード (4/4ページ)
終わりに
延政門院、いときなくおはしましける時、院へ参る人に、御言つてとて申させ給ひける御歌、
ふたつ文字、牛の角文字、直ぐな文字、歪み文字とぞ君は覚ゆる
恋しく思ひ参らせ給ふとなり。吉田兼好『徒然草』第62段より。
【意訳】
延政門院(えんせいもんいん。悦子)が幼少の頃、後嵯峨院(上皇)の元へお使いに行く人に言伝した(実際は手紙を渡したと思われる)御歌。
……父親を「こ・い(orひ)・し・く」思っているという意味である。
「お父様……」早く会いたい想いを文につづる悦子内親王(イメージ)。
傍からはちょっとファザコン気味に見えなくもありませんが、ほっこり心温まるエピソードとして、作者の吉田兼好(よしだ けんこう)は伝えています。
まぁ、そのうち10歳も過ぎれば反抗期に入って「私の服、お父さんのと一緒に洗濯しないでよね!」「あのオヤジ、まぢうぜーんだけど!」などと暴言を吐くようになるものです(もちろん吐かない娘もいます)。
しかし、どうかその時も、幼き日の思い出を胸にしまいながら、娘さんの成長を優しく見守って欲しいと思います。
※参考文献:
小川剛生 訳注『新版 徒然草』角川ソフィア文庫、2015年3月
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