ただ腹筋をやってもタテ割れはしない 誤解だらけの筋トレを根本から問い直す本 (2/3ページ)

新刊JP


「腹筋タテ割れ」「シックス・パック」「腹筋カチカチ」といった言葉もよく耳にするだろう。

そんな腹筋について、清水氏は「ただやみくもに鍛えればいいというものでもない」と指摘する。腹筋をガチガチに固めたがゆえに、かえってパフォーマンスを落としてしまうケースもあるという。

例えば必死に起き上がり運動をやっても、腹筋は割れない、と清水氏。それはなぜか。実は腹筋がタテに割れる現象は、体脂肪の減少によって起こるからだ。つまり、筋トレの量ではなく、体脂肪さえ減らせば、腹は自然に割れてくるのだという。

もちろん、腹筋トレを毎日やっていれば、腹直筋などが太くなるので、多少は腹筋を目立させることはできるかもしれない。しかし、腹筋が割れたように浮き出てくるには、そもそもとして「体脂肪の減少」という条件がないといけない。

では、腹筋トレをしていれば、お腹についた脂肪は減るのか。その答えは「減らない」だ。清水氏によれば、「筋トレ自体ではやせない」が医学的・科学的な事実であるという。もしお腹を引っ込めたいというのであれば、まずは食事コントロール、そして体脂肪をエネルギーとして使う有酸素運動だ。体内に入ってくるエネルギー量を減らし、出ていくエネルギーを増やす。これがいちばん効率的なのである。

となると、腹筋を鍛えるとは一体どういうことなのだろうか。
清水氏いわく、腹筋は「全身の連動性の要」であるという。それはつまり、「下半身の力を上半身に伝える」という体の動作における大切な役割を担っているということ。この役割はどんなスポーツにおいても大切だ。一瞬ごとの動的な変化にしなやかに対応し、「体を連動させる力」を発揮していくことが、体幹の筋肉に求められているのだ。

なんとなくやっていたトレーニングの意味を一つ一つ解剖していくと、「なぜここを鍛えるのか」「なぜこのフォームがいいのか」の意味を理解できるようになる。

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