猫がテープを張っただけの平面の図形に転送されがちなのは、大好きな箱に見えるからという科学研究 (3/3ページ)

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・猫は四角に見える錯視に反応する
 『via=ihub" target="_blank" title="" rel="noopener"Applied Animal Behaviour Science』(4月30日付)に掲載された研究は、ニューヨーク私立大学の認知動物行動学者ガブリエラ・スミス氏らの呼びかけで行われたものだ。


 猫の飼い主さんたちに、テープで描かれた四角かカニッツァの正方形を作ってもらい、それを目にした猫たちの反応を撮影してもらった。

 実験には総勢500匹の猫たちが参加し、適切に観察が行われた結果、研究データとして利用できたのは30人の飼い主さんたちだけのものだった。

 サンプル数は少ないものの、猫が錯視に反応することを示した過去の研究結果と一致しているという。
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credit:Smith et al., Applied Animal Behaviour Science 2021

 猫は不慣れな環境を嫌うものだが、今回は自宅で行われたので、普段のままの行動を観察できたという点が特に大きいそうだ。

 こうした実験によって動物の錯視についての理解が深まれば、言葉を持たない種同士の視覚の違いを理解しやすくなるとのことだ。・猫が平面の図形の中にホイホイしてしまう理由
 猫が箱の中に収まりたがる理由や、そもそもただの平面であっても丸や四角の中に関心を示す理由は定かではない。

 だが過去の研究では、箱の中に座った猫はストレスが和らぐことが明らかにされている。なので、囲まれた空間が心地いいらしいことは間違いなさそうだ。

 行動学者のイングリッド・ジョンソン氏(今回の実験には不参加)は、ただの線であっても"辺"といった要素が認識されると、猫は何かに入っているような感覚を覚えるのではないだろうかと推測している。

 彼女によると、猫の視覚は距離とスピードを把握しやすいように進化している。そのため走り回るネズミを見つけることは得意だが、マズルから20~30センチくらいの距離は事実上見えていないのだという。もしかしたら、そうした特性も関係しているのかもしれない。

 スミス氏らは今後、3次元のカニッツァの箱を使って、猫が箱に入りたがる秘密を探ってみるつもりであるそうだ。

 もちろん個体差もあるようで、家でやったら「けも」は一瞬のうちにホイホイしたものの、「もも」は入ろうとはせず尻尾だけ入れてたよ。
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References:If I fits I sits: A citizen science investigation into illusory contour susceptibility in domestic cats (Felis silvestris catus) - ScienceDirect/ written by hiroching / edited by parumo


追記(2021/05/09)誤字を修正して再送します。
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