扁桃腺の手術を受けた女性、数日後なぜかアイルランド訛りの英語に(オーストラリア)

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オーストラリアに住むアンジー・マクウェンさんという女性が、扁桃腺の摘出手術を受けた。退院して数日後、突然アイルランド訛りになっていた。マクウェンさんはこれまで一度もアイルランドに行ったことはない。
これは「外国語様アクセント症候群」と呼ばれる珍しい医学的症状である。だがなぜこの症状が出るのか、詳しいことはわかっていない。
・扁桃腺手術の後、ある日突然アイルランド訛りの英語に
マクウェンさんが、最初にこの異変に気づいたのは、扁桃腺の摘出手術を受け、退院から9日後、シャワーを浴びながら歌を歌っているときだったという。
それ以来、彼女はこの奇妙な症状を日々記録していて、自分は「外国語様アクセント症候群」だと考えている。
その朝もいつもと同じように普通に目覚めたわ。すでに家族はみんな出かけた後だったので、誰とも口をきかなかった。朝食をとって、シャワーを浴びながらいつものように歌を歌ってたの。
そうしたら突然、発音がアイルランド訛りになっていた。どうにも治すことができないのよ。アイルランドに行ったこともないのに。仕事の面接もアイルランド訛りのまま受けたのよ
マクウェンさんはTikTokに投稿した動画の中で語っている。
@angie.mcyenDay 1: I woke up with an Irish accent ? #sendhelp
♬ original sound - angie.mcyen
・数日後、一瞬だけ元に戻るも直ぐに再発
それから数週間の間に、マクウェンさんのアクセントは変わってきた。発音がはっきりせず不明瞭になった。
試練2日目に、マクウェンさんは一時的に自分の発音が元に戻ったことに気づいた。
今朝、目覚めたとき、いつものオーストラリアのアクセントでしゃべっているのに気がついたわ。友だちに電話して、アクセントが戻っていることを確認してもらった。
でも、電話をしている間、おそらく5分か10分くらいだっと思うのだけど、私のアクセントがオーストラリアからアイルランド訛りにまた戻ってしまったことに友人が気がついたの。
いったいなにがどうなっているの? まったくわからない。なにかがおかしい。すごく怖いわ。朝、起きたときは、すっかり治ったと思ったのに
How surgery resulted in an Australian woman waking up with an Irish accent | 7NEWS
あるユーザーがマクエンの投稿に対してコメントを寄せた。「確かにレプラホーン(アイルランドの妖精)訛りになっているね。ひどすぎる。でも、オージー・アクセントもまだ戻ることもあるじゃない」
それに対して、マクウェンさんは「長い間、自分のものだった発音が、まだ自分の声の一部として残っているのは嬉しいけど」と返信した。
確かに私のアクセントはまだひどいわ。これは外国語様アクセント症候群という症状なの。TikTokというデジタルプラットフォームを使って、このおかしな症状についてみんなに知ってもらいたいのよ。
これは、深刻な神経学的意味合いをもつ病気で、人の人生をがらりと変えてしまう可能性があるからよ
アンジーさんの投稿に対し、「アイルランド英語の”ふり”をしているだけ」と批判するコメントも寄せられたが、これに対しアンジーさんは「残念だけど”ふり”ではないの。外国のアクセントになって目覚めてからもう13日もたつわ」と新たな動画をシェアした。
@angie.mcyenReply to @owenb32 Day 13: Still woke up not sounding like my old self. Spreading awareness for #foreignaccentsyndrome #foryou
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・外国語様アクセント症候群とは?
「外国語様アクセント症候群」は、非常にまれな症状で、世界で150ほどの症例しか報告されていない。
そのほとんどは、頭部の負傷や脳卒中などの手術後で発症する。脳の言語野にダメージを受けた結果だと言われる。たいてい、症状は永遠に続くわけではなく、徐々に消えていくことが多いという。
これについて専門家は、「本当に外国語のアクセントになるわけではなく、顎や舌の動きが変わることで母国語やアクセントが損なわれたものだ」と説明する。
外国語のアクセントだと思うのは、聞く側の心理で、パレイドリア(視覚刺激や聴覚刺激を受けとり、普段からよく知ったパターンを本来そこに存在しないにもかかわらず心に思い浮かべる現象)の一種かもしれない。
マクウェンさんのケースの場合、本人はアイルランド訛りだと思っていないのに、他人がアイルランド人の発音によく似ていると言っているようにも思える。
いつもどおりの発音ができないとき、患者は無意識のうちになじみのないアクセントで話すことで、それを補っていると考える専門家もいる。
言語学者のニック・ミラーは言う。「患者が外国語で話していると思うのは、話し手ではなく、聞く方の考えです。それは単に会話のリズムや発音が変わっただけです」
マクウェンさんは、自分の発音の変化の原因を調べるために、神経科医の予約をとり、言語療法を受けることも検討しているそうだ。
これは英語の話だけど、日本で例えるなら、関東に住む私が何かの手術を受け、ある日突然関西弁、あるいは津軽弁のアクセントで話せるようになるということなのか?アクセントだけ変わる分には支障がなさそうだけど、日本にも同じような症例があるんだろうか?
References:Australian Woman Goes In For Tonsil Surgery, Wakes Up With "Irish" Accent | IFLScience/ written by konohazuku / edited by parumo