月と地球を通信ネットワークをつなぐ「衛星ナビゲーション」計画。月面でGPSやビデオ会議が使用できるように(ESA)

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月と地球を通信ネットワークをつなぐ「衛星ナビゲーション」計画。月面でGPSやビデオ会議が使用できるように(ESA)
月と地球を通信ネットワークをつなぐ「衛星ナビゲーション」計画。月面でGPSやビデオ会議が使用できるように(ESA)
月と地球をつなぐ通信ネットワークシステム構築計画
photo by iStock

 地球には7つの大陸があるが、月は”8番目の大陸”として民間企業や国家から注目を浴びており、そこを目指すプロジェクトは今後ますます増えていくだろうと予測されている。

 欧州宇宙機関(ESA)は月の軌道を周回する衛星コンステレーション「ムーンライト(Moonlight)」の打ち上げ計画を進めているそうだ。

 これは、通信とナビゲーションに特化したネットワークシステムで、地球と月面でのやりとりがスムーズに行える。ムーンライトの月軌道への設置は2020年代後半が予定されている。

 人類が再び月に足を踏み入れる時はすぐそこまで近づいてきている。このネットワークを使用することで、将来的なミッションが容易に行えるようになる。
・月へのミッションを実施するには通信システムが不可欠

 ESAの遠隔通信と統合アプリケーションのディレクター、エロディ・ヴィー氏は、記者会見で次ように語っている。

月で明らかになったことを地球に伝えるナビ・通信ネットワークは、将来的なミッションを持続可能なものにするうえでの鍵を握っています。

想像してみてください。月の裏側に天文台が設置されます。そして今ではみなさんビデオ会議に慣れましたよね? 月面でスカイプが使えるなんてこともあるかもしれませんね

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credit:ESA

 現在、月のミッションを実施するには、地球からの支援が必要になる。月軌道や月面で稼働する探査機の位置を把握するには、地上の大型アンテナネットワークを利用しなければならないのだ。だが、これは遅く、高コストなやり方だ。

 またその精度もほめられたものではない。たとえば地球上なら、GPSは30センチから5メートルの誤差で位置を把握できる。ところが対象が月になってしまうと500メートルから5キロと精度が大幅に低下する。

 さらに月面の探査機は、着陸の際に月面までの距離を計測するために、ずっしり重たい40キロもの支援ナビシステムを搭載しなければならない。

 月軌道に衛星コンステレーション(複数の人工衛星で構成されるシステム)があれば、こうした問題は一挙に解決するのだ。

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credit:ESA

 現在の予定ではムーンライトは、3、4機の人工衛星で構成される可能性が高いとのこと。これだけあれば、GPSの精度を100メートルか、うまくいけば30メートルにまで改善できるそうだ。

 また最初の段階では、すでに地球軌道を飛び回っている航行衛星を利用したいとESAは考えているようだ。

 米国のGPSネットワークや欧州のガリレオ、ロシアのGLONASS、中国の北斗、これら全球測位衛星システムは、地球上の乗り物を支援するためのものだが、月にデータを送信するうえでも役に立つ。

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credit:ESA

・通信ネットワーク構築は2020年代後半を予定

 ムーンライトの月軌道への設置は2020年代後半が予定されている。

 現在ESAはEUの2産業団体と1年半以内の契約締結について検討させると同時に、技術的ソリューションも提案してもらっているという。

 また、この新しい通信ネットワークをテストするための人工衛星「ルナー・パスファインダー」の打ち上げが2024年に予定されているとのことだ。

References:Europe unveils plans to bring 'GPS' and Skype to the moon with satellites | Space/ written by hiroching / edited by parumo
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