創業者が消えても会社は成長し続ける リクルートという「理想像」 (3/5ページ)

新刊JP

だから、リクルート事件が報じられた時の世間の反応は『前から胡散臭いと思っていたけど、やっぱり悪い奴だったんだ』というものでした。
リクルート報道と東京地検特捜部の捜査がお互いを煽るように過熱すると、日本全国で、リクルートと江副浩正へのバッシングが燎原の火のように広がる。そして、江副さんは歴史から葬り去られた。今回、大西さんがすごいのは、まだ知られていなかった1985年当時の江副さんと社会人になったばかりのジェフ・ベゾスとの知られざるエピソードを発掘して、彼らふたりの物語からこの本を始めたところ。冒頭の部分を読んだ時に、江副さんの本当の姿が明らかになったという手ごたえがありました」(加藤氏)

■創業者が消えても事業とサービスは成長を続けるという「理想」

江副浩正には、これまで語られてこなかった一面がある。そして、その一面には今読まれるべき現代性がある。それが、両氏の一致した見解だ。

「ニューヨークとロンドン、川崎に作ったデータセンターを専用回線でつないで、今でいう“クラウドコンピューティング”に近いことを1980年代にやっていたのを知った時は、こんなにすごい日本人がいたんだと驚きました。当時、クラウドコンピューティングという言葉はありませんから、“コンピュータの時間貸し”という冴えない名前で呼ばれていたようですが」(桑原氏)

「まだインターネットがない時代でしたから、彼がやっていたことは誰も理解できなかったはずです。データセンターをネット回線でつないで何ができるのかという発想も知見も、当時の日本人にはありませんでした。だから、今考えるとすごいことをやっていたんですけど、まったくそういう風には見られていなかった」(加藤氏)

当時の日本人が想像もできなかったビジョンを持ち、それを実現した江副氏の先進性と行動力。一方で、科学的・合理的な経営術は、現在の日本が置かれた状況と対置することで際立つ。

「コロナの感染拡大を食い止めるために、とことん科学的に考えて対処しなければいけない状況です。

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