創業者が消えても会社は成長し続ける リクルートという「理想像」 (4/5ページ)
しかし、先日の宝島社の全面広告ではないですが、この国はそれこそ竹槍で突っ込んでいるかのようです。この国自体、ファクトとロジックに基づく合理的な運営が大きな課題なのですが、企業の経営も科学的に行われるべきで、リクルート的な経営術はその一つのモデルです」(加藤氏)
「 “社員みんなが経営者の視点を持ちましょう”といろいろなところで言われていますが、掛け声だけでは社員がついてきませんし、“ブラック企業”のようになってしまいます。そうではなくて、社員が本当の意味でやる気になって働くようにさせる『仕組み』を科学的に作った経営手法は、もっと注目されてほしいと思います」(桑原氏)
江副氏の経営が正しかったことは、氏が一線を退いた後もリクルートが成長を続け、今や時価総額8兆円を超えるまでになっていること、そしてビジネス分野だけでなく、政治や教育などさまざまな領域で活躍するOB・OGを輩出していることが証明している。
「江副さんが作ったリクルート文化のすごいところは、何といっても彼自身が消えた後に会社が急成長したところです。創業者がいなくなっても自走していると言いますか、今のリクルートでは〈自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ〉という江副さんの理念がさらにパワーアップしている。彼はカリスマでもあったけど、今のカリスマ型経営者がみな事業の継承に苦心しているところを見ると、彼の会社経営の最大のポイントは、レッド(カリスマ型)でもアンバー(軍隊型)でもなく、30年前にティール(青緑色の)組織と呼ばれる、ひとりひとりの社員が決定権を持つ会社を作り上げたことではないでしょうか」(加藤氏)
「そうですね。先日この本を読んでくれた若い起業家の方のお話を聞く機会がありました。その方は、江副さん本人が忘れ去られていても、サービスや事業は世の中に認知されていて成長できているという点で、創業者のあり方として理想的なんじゃないかとおっしゃっていました。