テレワークでパワハラ急増、部下を「監視」したがる上司の言い分 (3/3ページ)

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 しかし、組織人事コンサルタントは、上司による部下への監視行為を厳しくこう断じる。

テレワークの是非を問う場合、まずは企業の業績ベースで検証する必要がありますが、テレワークを導入したことで業績が向上した企業もあれば悪化した企業もあるため、一概には言えません。生産性という面においても、何をもって向上/悪化したと判断するかが重要。米ソフトウェア大手のオラクルが世界11カ国で行なった調査では、リモートワークが進んだことで日本が最も生産性が低下したというデータもあります。そのため、労働者側の『以前より仕事が楽になった』『生産性が上がった気がする』という感想だけでは何の意味もないため、不毛な議論となるだけでしょう。しかし、上司や経営者は、いまの日本社会では部下を執拗に管理することがリスクだという認識を持つ必要があります。このご時世で部下を監視するという行為は『リモートハラスメント』に該当し、上司の責任問題に発展する可能性が高い。そのため、上司は部下に対して〝外注先〟のように接することをすすめます。仮に取引先の若手社員が少々サボっていたとしても、別にそこまで目くじら立てませんよね」

 昨年6月、パワハラ防止法が大企業を対象に施行され、来年4月からは中小企業に対しても適用される。「ハラスメント撲滅」の機運が高まるいまこそ、管理職の手腕が試されるときなのかもしれない。

(橋爪けいすけ)

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