人間サイズの巨大な物体を量子状態にし、ほぼ完全に静止させることに成功 (3/3ページ)

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image by:Caltech/MIT/LIGO Lab

・鏡の動きを10-20メートル未満にまで抑制
 レーザーで原子の動きを計測しようとすると、計測という行為自体が鏡をランダムに揺り動かす(量子的反作用)。そこで連続的に計測し続ければ、通過した光子によって生じた鏡のランダムな反動を、後続の光子によって知ることができる。

 研究グループがこうした情報から鏡の動きを相殺する正反対の力を計算し、電磁石で発生させたところ、鏡全体をほぼ振動基底状態に近づけることに成功したとのこと。

 鏡に残されたエネルギーは極小で、10-20メートル未満(陽子1000分の1個未満)しか動かなくなったという。ちなみに完全な振動基底状態の温度は10ナノケルビンと予測されているが、鏡の温度は77ナノケルビンにまで迫っていたそうだ。
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image by:Caltech/MIT/LIGO Lab

・巨大な量子物体
 なお振動基底状態は、励起状態などの不思議な量子状態つくり出す最初のステップであるそうだ。それを人間の目にも見えるスケールで実現できたなら、巨大な量子物体に重力が与える作用を観察することもできるかもしれないとのことだ。

 この研究は『Science』(6月18日付)に掲載された。

Top image:photo by iStock /References:Physicists bring human-scale object to near standstill, reaching a quantum state/ written by hiroching / edited by parumo


追記:(2021/06/20)本文を一部訂正して再送します。
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